助成金と補助金の違い|知ってるようで知らないポイントを教えます

事業者であれば、よく耳にするであろう「助成金」や「補助金」、それぞれの違いをご存知でしょうか。

この記事では、知っているようで知らない、助成金と補助金の違いについて解説します。それぞれの目的や性質を知り、自社によってより有効な助成金や補助金の選択に役立ててください。

目次

助成金とは

助成金は、支給要件を満たした場合、ほぼ100%もらえるお金です。主なものとして、国が事業者の労働環境改善などに取り組む場合に支給される助成金があります。ここでは、労働関係の助成金を中心に、詳細を解説します。

目的

事業者の「雇用の安定」や労働者の「職場環境の改善」、「スキルアップ」など、労働環境の改善を目的としています。具体的には、時給を上げるための生産性向上に資する設備投資、働き方改革の推進、受動喫煙防止などを支援する助成金があります。

管轄

労働環境改善を目的とした助成金は、厚生労働省が管轄しており、厚生労働省が管轄している都道府県労働局に申請をします。

財源

労働環境改善を目的とした助成金の財源は、労働保険です。そのため、労働保険に加入していることが受給条件の基本になります。

支給金額

助成金は、条件を満たせばほぼ100%支給されます。そのため助成金額は大きくなく、数十万から百万円程度となることがほとんどです。従業員数や会社の規模で支給額が変わる場合もあります。

受給までの流れ

助成金の申請から受給までの流れを、順を追って解説します。

  1. 助成金の受給要件をよく確認し、申請書・事業計画書を作成する
    助成金の申請書は比較的簡単なものが多く、求められている要件を満たすことを意識して作成しましょう。
    通年、申請を受け付けている場合が多いですが、予算がなくなったらその年度内は申請できないため、早めに申請することが肝心です。
  2. 審査・交付決定
    申請内容が審査され、要件に適合していることが確認できた場合、交付決定がなされます。
  3. 事業実施
    交付決定がなされてから、事業を開始します。交付決定前に事業を開始してしまうと助成金がもらえませんので、注意が必要です。
  4. 実績報告・助成金申請
    事業が完了してから、実績報告を行い、助成金支給の申請を行います。その後、助成金の受給が可能となります。

助成金の例

助成金の例をご紹介します。

【業務改善助成金】

この助成金は、事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、かかった費用の一部を助成する制度です。

いくら賃金を引き上げるか、引き上げる労働者が何人かで助成上限額が変わり、最大で600万円(令和5年度の場合)をもらうことができます。

補助金とは

補助金は、「新規事業」や「事業拡大」、「設備投資」などの事業活動を支援するためのお金です。審査を受けて採択された事業者のみ受給することができます。ここでは、補助金について詳細を解説します。

目的

国や自治体の政策や事業を推進することを目的としています。企業の事業拡大や新規創業支援、地方創生など、さまざまな分野において事業者の取り組みを支援するため、資金の一部を給付します。

支給対象者は、個人事業主・フリーランス、スモールビジネス経営者、中小企業である場合が多くなっています。

管轄

主な管轄は経済産業省です。その他にも、地方自治体や民間団体、各省庁などから補助金が提供されることもあるため、アンテナを張っておきましょう。

財源

経済産業省の補助金の財源は、補正予算を含む国の予算です。つまり、国民の税金が財源となっているのです。

支給金額

補助金額5万円からの少額の補助金もありますが、大体の補助金は支給額が大きいものが多いです。事業所規模によりますが、1億円支給される補助金もあるため、高額の設備やシステムを導入したい時に活用できます。

受給までの流れ

補助金の申請から受給までを、順を追って解説します。各補助金で詳細な流れが異なるため、申請の際には必ず応募要件に目を通しましょう。

  1. 補助金の応募要件をよく確認し、申請書・事業計画書を作成する
    補助金の申請書は、助成金と比べて難易度が高く、他社とは違う自社ならではの取り組みが評価されますので、事業計画書の内容の良し悪しで採択結果が変わります。
    通常、募集期間は1か月程度が多く、長くても2~3か月程度です。
  2. 審査・交付決定
    申請内容が審査され、優れた事業計画書が採択され、交付決定がなされます。
  3. 事業実施
    交付決定がなされてから、事業を開始します。交付決定前に事業を開始してしまうと補助金がもらえませんので、注意が必要です。
  4. 実績報告・助成金申請
    事業が完了してから、実績報告を行い、補助金支給の申請を行います。その後、補助金を受給することができます。

補助金の例

補助金の例をご紹介します。

【ものづくり補助金】

中小企業の生産性向上・持続的な賃上げに向けた新製品・サービスの開発や、生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等のための支給される補助金です。

応募する枠や取り組みによって補助額が変わりますが、最大8,000万円の補助金がもらえます。

【IT導入補助金】

IT導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)により、生産性向上を支援する補助金です。インボイス対応に必要な会計ソフトの導入など、少額のものから申請できます。

補助金額の下限がない枠もあり、少額から最大450万円までもらうことができます。

補助金と助成金の違い

ここでは、補助金と助成金の違いについて解説します。

目的や管轄が違う

補助金と助成金は、お金を支給する目的や管轄が違います。生産性を向上させたい、雇用の安定化を図りたい、新規に会社設立したいなど、事業者にとって課題は様々あると思いますので、自社の課題を解決してくれるような補助金・助成金を見つけましょう。

給付額が違う

一般的な助成金は、要件さえ満たしていればほぼ100%採択されます。そのため、給付額は他の補助金と比べて少額である場合が多いです。

一方で補助金は、事業計画書など申請内容を審査され、上位の何社かが採択されます。そのため競争率が高く、給付額も高額になる傾向にあります。

受給の難易度が違う

助成金と補助金では、受給の難易度がまったく違います。

助成金の場合、応募の要件に合致しており、予算が残っていれば、基本的には応募者全員が採択されます。

一方、補助金の場合は事業計画の内容によって合否が決まります。補助金の種類によって採択率は変わりますが、応募者の半分程度は不合格となるため、助成金の獲得よりも難易度は高いといえるでしょう。

公募期間が違う

助成金は、通年申請を受け付けていることが多いため、年度内であればいつでも申請できます。ただし、申請者が多く予算が残っていない場合は、助成金の対象外となってしまうため、できるだけ早めの申請をおすすめします。

補助金の公募期間は1か月程度と、助成金と比較して短い場合がほとんどです。さらに、公募申請には事業計画書などの書類提出が必要なので、補助金情報が公表されたら速やかに準備をしましょう。

ただし、補助金の公募は、年度内に複数回おこなわれることが多いため、タイミングを逃しても再チャレンジする機会はあります。

助成金と補助金の注意点

ここでは、助成金と補助金を活用する際の注意点について、解説します。

資金を事前に準備する必要がある

助成金・補助金が支給されるのは事業が完了してからになりますので、事前に支払を済ませる必要があります。金融機関からの融資を受けるなど資金調達の手段を検討し、採択されたら支払ができるよう、事前に準備しておく必要があります。

給付されないケースもある

交付決定されたからといって、必ず助成金・補助金がもらえるというわけではありません。事業計画と異なる事業を行った場合や、対象とならない経費を支出してしまった場合など、給付されないことがありますので、あくまでも要件に沿う形で事業計画通りの事業を行う必要があります。

申請から支給まで1年以上かかることもある

助成金や補助金に応募してから採択されるまで、ある程度時間がかかります。やっと採択されたとしても、補助事業を行うのにも時間がかかりますので、申請してから助成金・補助金が支給されるまで1年以上かかることもあります。そのため、申請時点1年後では自社の状況が変わる可能性もありますので、長い目で見ても必要な事業なのかどうかをよく考える必要があります。

事業期間外の支出は支給対象にならない

助成金・補助金には、事業期間が設けられており、その期間内に事業者は事業を行います。その期間外に何か支出してしまった場合、その金額は対象経費となりませんので、必ず事業期間内にすべて支出するようにしましょう。

受給後も事務局へ報告が必要な場合がある

助成金にはあまりありませんが、補助金には、受給後数年間はその事業の成果などを報告する義務があるものがあります。報告をし忘れてしまうと、補助金を返還しなくてはならなくなったり、今後補助金に応募できなくなったりすることもありますので、注意が必要です。

助成金と補助金についてよくある質問

ここでは、助成金と補助金についてよくある質問に回答します。

助成金・補助金と給付金の違いは何ですか?

助成金・補助金は、その目的や要件を満たした事業に対して支給されるものです。要件以外の用途に使用した場合、補助金の返還を要求されることもあります。

一方、給付金は、支給されれば基本的には何に利用しても問題ないお金で、特定の目的がありません。

個人事業主でも使える助成金や補助金はありますか?

法人・個人事業主の区別なく、使える助成金や補助金はたくさんあります。例えば、販売促進に使える持続化補助金や設備投資に使えるものづくり補助金などは、多くの個人事業主が申請しているのでおすすめです。

まとめ

助成金と補助金の違いは一見わかりにくいですが、前述したようにさまざまな異なる点があります。それぞれの性質を理解した上で、自社に必要なものを選択することが重要です。

助成金や補助金は中小企業を対象としていることが多く、うまく活用することで、少ない資金で飛躍的に自社の事業を成長させることができます。

当社では、各種助成金・補助金を活用した事業推進のサポートを行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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