松村昌典の経営百景(2024年8月)
2024/09/04
株式会社エムアイエスの最近の活動について
当社がある山口市では、昼間はまだまだ暑いですが少し朝晩が過ごしやすくなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
当社では8月末に業務改善助成金のサポート業務が30件程度重なり、忙しい月末となりました。本業務はコンサルティング部のメンバー3名で対応したのですが、私以外はアラウンド60歳のメンバーですが深夜まで本当に頑張ってもらいました。本当に感謝しております!
さて、今回は当社が最近取り組んでいる補助金である中小企業省力化投資補助事業や令和6年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業、経営に関する資金繰りの関係でお話を少ししてみようかと思います。
中小企業省力化投資補助事業
国としては、令和5年度からの3年間を変革期間と設定しており、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助しようと事業を進めております。
この補助金はIT導入補助金のようなスキームとなっており、販売会社が事業者の補助金申請支援をしながらカタログに登録された機械装置の導入を進めていくものとなっています。しかし、IT導入補助金と違うところは、販売会社がツール(中小企業省力化投資補助事業では機械装置)をカタログに自由に登録できていた部分が「メーカー」「工業会」を巻き込みながらカタログに登録しないといけないという部分です。
そのため、こちらの補助金で導入できる機械装置のバリエーションは非常に少なくなっており、中小企業者としては導入したい機械装置が登録されていないため活用が進まないという状況になっています。
また、カタログ登録の手続きは販売会社、メーカー、工業会が連携して行う必要があるのですが、だれが声を上げてリードするべきかが分からないものとなっています。
一般的にはメーカーがリードするのが一番良いと思うのですが、そもそもこの補助金の認知度が低く、事業者から販売会社に声が上がってメーカーの営業担当者から本社稟議に回るというのは非常にリードタイムが長くなってしまう可能性があります。
結果、カタログに魅力的な機械装置が掲載されていないため補助金の申請をする中小企業も少ないという流れが発生しているだろうと考えます。 当社では、販売会社からメーカーにつないでもらって各種調整業務の対応に当たっております。支援制度を作るのは良いのですが、もう少し民間の商流や意思決定の流れを考慮したスキーム作りをした方が社会厚生が高くなるのではないかな?と思いながら対応しております。
令和6年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業
2050年のカーボンニュートラル、2030年のエネルギーミックス達成に向けては余剰の電力を直接連系する大型の蓄電池や、水素製造を行う水電解装置導入を支援するものです。
こちらの補助事業は、公募申請までに満たす要件が多く、蓄電池を置く土地の確保や蓄電池の仕様の決定、系統連系申込などを現時点で進めていないと物理的に申請期日に間に合わないものとなっております。今回ご相談いただいている事業者様はこちらの要件は全て満たせるとのことで、申請に向けて調整を進めております。こちらの補助金は太陽光発電で生まれていた余剰電力を捨てていてモッタイナイという個人的な気持ちを解消してくれる事業であり、個人的にも精力的に取り組んでいきたいと思っております!
経営に関する資金繰りについて
経営に関する資金繰りについて、最近入金サイトの長い事業者から相談を受けました。
こちらの事業者さんは、事業を精力的に拡大されているのですが、事業拡大に伴い資金流出が大きくなっており、入金サイトも長いため、キャッシュフローが悪くなっています。
決算状況はいたって好調なのですが、手元資金が少なくなって不安に思っていらっしゃいます。
そのため、当社ではキャッシュフロー計算書の作成を行い、資金繰りを見える化しました。その後、金融機関から運転資金を調達するために融資交渉用の資料作成も行いました。また、足元での資金減少を小さくするために入金サイトの短いサービスもバランスよく営業・受注するようにご提案しました。融資交渉時に入金時での売上会計処理をしている部分で金融機関担当者が売掛計上していないと稟議が上げにくいとのコメントがあったとのことなので、この部分の会計処理のルール化についてもアドバイスしました。
会社を存続させるために一番重要なのは、現金が回るかどうかですので、キャッシュフローの見える化はとても大事なことだなと思いました。
本コラムが経営の参考になれば幸いです。