ものづくり補助金18次公募|2024年ラストチャンス?注目の公募枠の詳細は?

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ものづくり補助金18次公募|2024年ラストチャンス?注目の公募枠の詳細は?

ものづくり補助金18次公募|2024年ラストチャンス?注目の公募枠の詳細は?

2024/02/02

17次公募締切ものづくり補助金の公募が開始されて間もなく、18次ものづくり補助金の公募が開始されました。17次公募の時点で多少の情報が出ていた18次公募について、補助金に馴染みのない方でもわかりやすく解説します。

この記事は令和6年1月発表の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)1.0版」をもとに執筆しています。

この記事を書いた人

松村昌典(中小企業診断士)

株式会社エムアイエス 代表

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉

中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉

山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

目次

    18次公募ものづくり補助金の概要

    18次締切分公募ものづくり補助金の特徴を解説します。

    3種類の応募区分がある

    18次公募には2種類の枠組みがあり、そのうち1つは申請類型が2種類あるため、計3種類の応募区分があります。

    17公募もあわせた応募区分は下表のとおりです。

    【17次・18次公募ものづくり補助金の応募区分】

    公募 枠組・類型 対象事業の概要
    17次公募 省力化(オーダーメイド)枠 デジタル技術を活用した設備導入により、人手不足を解消する事業
    18次公募 製品・サービス高付加価値化枠(通常類型) 設備投資により売り上げアップにつながる事業
    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX)) 売り上げアップにつながる事業のうち、デジタルや環境に関連する事業
    グローバル枠 海外に関連する事業

    17次公募に申請した事業者は応募できない

    18次公募ものづくり補助金は、17次公募に申請した事業者は対象外です。仮に交付申請を提出しても必ず不採択になるため、両方の公募申請を検討している場合は、どちらかにする必要があります。

    17次公募ものづくり補助金とセットのような扱いになっている

    18次公募ものづくり補助金は、17次公募と申請期間が近く、事業完了締切日や補助金申請期限は17次公募と同一です。17次公募に応募した事業者は18次公募に応募できないこともあり、セットのような扱いとなっています。

    それぞれのスケジュールは下表のとおりです。

      17次締切 18次締切
    公募開始日 令和5年17月27日 令和6年1月31日
    申請開始日 令和6年2月13日 令和6年3月11日
    申請締切日 令和6年3月1日 令和6年3月27日
    補助事業完了期限日 令和6年12月10日 令和6年12月10日
    請求締切日 令和7年1月31日 令和7年1月31日

    申請は電子申請でおこなう

    申請は、インターネットを利用した電子申請でおこないます。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。アカウントを持っていない方は事前にアカウントを取得しておくとスムーズです。

    3つの基本要件を満たす必要がある

    ものづくり補助金を申請するには3つの基本要件があります。

    事業者全体の付加価値額を年平均成長率3%以上増加

    2

    給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加

    3

    事業場内でもっとも低い賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

    簡単に説明すると、補助金を受けて実施した事業で生産性を上げ、従業員の賃金を上げることが求められるのです。申請要件が達成できない場合は、補助金の返還が求められます。

    さらに、申請枠によって個別に申請要件が定められているため、基本要件と申請枠ごとの申請要件を満たさなくてはなりません。

    次の項でそれぞれの申請枠について解説します。

    製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)

    • 製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)は、革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備やシステムへの投資を支援するための枠です。

    革新的な製品・サービスとは、導入した設備と自社の技術力で、新たな製品・サービスの開発することをいいます。製品・サービスの開発がマストで、同業の中小企業においてすでに普及している製品・サービスもNGです。

    また、下記で説明する新型コロナ回復加速化特例が適用されるのは、通常類型のみとなります。

    補助率・補助金額

    従業員規模や事業者の種類により、補助上限額や補助率が違います。

    【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)補助上限額】

    5人以下 750万円(850万円)
    6~20人 1,000万円(1,250万円)
    21人以上 1,250万円(2,250万円)

    ※()内は大幅賃上げに係る補助上限引き上げの特例を適用した場合

     

    【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)補助率】

    中小企業 1/2
    小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3
    新型コロナ回復加速化特例 2/3

    申請要件

    製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)の申請要件は以下のとおりです。

    基本要件に加え、

    3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること

    補助金を活用して実施する事業で、企業の売上高のうち10%以上をまかなうような事業計画の策定が必要です。

    新型コロナ回復加速化特例の要件

    新型コロナ回復加速化特例に当てはまると、補助率が1/2から2/3にアップします。該当する場合は申請時に申告しましょう。

    【新型コロナ回復加速化特例の要件】

    1. 常時使用する従業員がいること
    2. 2022年10月から2023年8月までに、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
    3. 補助事業を完了した事業年度の翌年度3月末時点において、その時点での給与支給総額が1.5%以上増加目標を達成していること
    4. 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準を達成していること

    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))

    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))は、DXやGXといった、今後成長が見込まれる分野への取り組みに必要な設備・システムが対象となります。

    16次公募までのデジタル枠とグリーン枠が該当するイメージです。

    ※DX…デジタルトランスフォーメーション、IT・デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルを変革すること

    ※GX…グリーントランスフォーメーション、化石燃料をできるだけ使わず、温室効果ガス削減やクリーンエネルギーを活用していくための活動や変革補助率・補助金額

    補助金額・補助率

    成長分野進出類型の補助上限額は、通常類型よりも高く設定されています。

    【製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))補助上限額】

    5人以下 1,000万円(1,100万円)
    6~20人 1,500万円(1,750万円)
    21人以上 2,500万円(3,500万円)

    ※()内は大幅賃上げに係る補助上限引き上げの特例を適用した場合

    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))補助率】

    中小企業 1/2
    小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3

    申請要件

    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型)の申請要件は以下のとおりです。

    基本要件に加え、

    • 3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること
    • (DXの場合)DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
    • (GXの場合)Green成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること

    グローバル枠

    グローバル枠は、その名のとおり海外事業に関連する事業に取り組む事業者が申請できる枠です。以下の事業がグローバル枠として認められます。

    • 海外への直接投資に関する事業
    • 海外市場開拓(輸出)に関する事業
    • インバウンド対応に関する事業
    • 海外企業との共同でおこなう事業

    補助率・補助金額

    グローバル枠の補助上限額は、従業員数による補助上限額の設定がありません。

    補助金額は3つの申請類型のうちもっとも高く設定されています。

    【グローバル枠補助上限額・補助率】

    100万円~3,000万円 1/2以内

    小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3

    大幅賃上げをおこなう場合は、従業員数に応じて上限額が引き上げられ、補助上限額が下表の金額となります。

    【グローバル枠・大幅賃上げ実施の補助上限額】

    5人以下 3,100万円
    6人~20人 3,250万円
    21人以上 4,000万円

    申請要件

    グローバル枠に応募するには、実施事業が以下の4つに当てはまることが条件です。

    1. 海外への直接投資に関する事業
    2. 海外市場開拓(輸出)に関する事業
    3. インバウンド対応に関する事業
    4. 海外企業との共同でおこなう事業

    それぞれの事業において、事業内容に応じた追加資料の提出が求められます。

    18次ものづくり補助金の対象経費

    対象経費は17次公募の「省力化(オーダーメイド)枠」と同じです。グローバル枠で輸出に関する事業では、別途対象経費が定められています。

    【18次ものづくり補助金の対象経費】

    対象項目 具体内容 備考
    機械装置・システム構築費

    ※単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須

    機械、装置、ソフトウェア、情報システムなどの購入、製作、リース、レンタル、改良・修繕、据え付けに要する経費  
    技術導入費 本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費 対象経費総額(税抜)の1/3
    専門家経費 本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費 対象経費総額(税抜)の1/2
    運搬費 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費  
    クラウドサービス利用費 クラウドサービスの利用に関する経費  
    原材料費 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費  
    外注費 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の 一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 対象経費総額(税抜)の1/2
    知的財産権等関連経費 新製品・サービスの事業化に当たって必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料 等の知的財産権等取得に関連する経費 対象経費総額(税抜)の1/3

     

    【グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ適用される費用】

    対象項目 具体内容 備考
    海外旅費 海外事業の拡大・強化等を目的とした、事業に必要不可欠な海外渡航及び宿泊などの経費 対象経費総額(税抜)の1/5
    通訳・翻訳比 事業遂行に必要な通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費 対象経費総額(税抜)の1/5
    広告宣伝・販売促進費 製品・サービスの海外展開に必要な広告の作成 及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費 対象経費総額(税抜)の1/2

    18次ものづくり補助金の対象事業者

    18次公募の対象事業者は、17次公募と同様です。

    中小企業者(組合関連以外)

    中小企業等経営強化法第2条第1項に基づいた中小事業者が該当します。具体的な条件は下表をご参照ください。

    【中小企業等経営強化法第2条第1項に基づいた中小事業者】

    業種 資本金 従業員数
    製造業、建設業、運輸業、旅行業 3億円 300人
    卸売業 1億円 100人
    サービス業

    (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

    5,000万円 100人
    小売業 5,000万円 50人
    ゴム製品製造業

    (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)

    3億円 900人
    ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
    旅館業 5,000万円 200人
    その他の業種(上記以外) 3億円 300人

    特定事業者の一部

    上記の中小企業者のくくりでは対象外となってしまう、大きめの中小企業を対象とすべく定められた区分です。中小企業等経営強化法第2条第5項で規定されています。

    下表のうち、資本金の額または出資の総額が10億円未満の企業が対象となります。

    【中小企業等経営強化法第2条第5項に規定されている会社または個人】

    業種 従業員数
    製造業、建設業、運輸業 500人
    卸売業 400人
    サービス業又は小売業

    (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

    300人
    その他の業種(上記以外) 500人

    小規模企業者・小規模事業者

    従業員が十数人規模の会社や個人事業主も対象です。

    【小規模事業者・小規模事業者】

    業種 従業員数
    製造業その他 20人以下の会社及び個人事業主
    商業・サービス業 5人以下の会社及び個人事業主
    サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下の会社及び個人事業主

    中小企業者(組合・法人関連)

    株式会社や合同会社などの形を取らない組合や法人も、ものづくり補助金の対象です。

    ただし、財団法人や社団法人、医療法人および法人格のない任意団体は補助対象外となります。

    主な該当団体として、企業組合や協同組合、商工組合などが挙げられます。

    参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)

    18次締切ものづくり補助金についてよくある質問

    最後に、18次締切ものづくり補助金についてよくある質問をまとめました。

    過去ものづくり補助金に採択された事業者も申請できますか?

    申請可能です。

    ただし、応募締め切り日から過去3年以内に交付決定を2回以上受けた事業者は申請できません。

    過去3年以内に交付決定を1回受けた事業者は、申請できますが減点の対象となります。

    18次公募の場合は、応募締切日が令和6年3月27日ですので

    令和3年3月27日以降に、ものづくり補助金の交付決定を受けた場合が該当します。

    再生事業者とはどのような事業者ですか?

    ものづくり補助金における再生事業者の定義は以下のとおりです。

    中小企業再生支援協議会等から支援を受け、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。

    (1)再生計画等を「作成中」の者

    (2)再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内に再生計画等が成立等した者

    参考:ものづくり補助金|<別紙4>「再生事業者」の定義について

    一般的に「再生事業者」は廃棄物再生事業者を指すことが多くあります。ものづくり補助金においては廃棄物再生事業者とは異なりますので注意が必要です。

    大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例の条件は?

    以下が大幅賃上げ特例の条件です。

    1. 給与支給総額を年平均成長率(CRGR)1.5%以上増加させること。さらに年平均成長率4.5%以上、合計で年平均成長率6%増加させること
    2. 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金+50円以上の水準とすること。さらに毎年、事業場内最低賃金を年額+50円増額すること
    3. 応募時に上記1,2の達成に向けた、具体的かつ詳細な3~5年の事業計画を提出すること

    これらの要件を満たしていないと、補助金交付金額から、特例を活用しない場合の差額分について返還を求められます。

    また、下記の場合は特例の活用ができません。

    • 大幅賃上げ特例の補助金額の上限額に達していない場合
    • 再生事業者
    • 従業員がいない場合

    ※給与支給総額とは、非常勤含む全従業員と役員に支払った給与のことをいいます。賞与や役員報酬は含みますが、福利厚生費や退職金は含みません。

    ものづくり補助金を活用して事業を加速させよう

    ものづくり補助金と聞くと、製造業にかかわる事業者向けの補助金をイメージしますが、幅広い業種が対象の補助金です。

    個人事業主から大きめの中小企業まで、多くの事業者に門戸が開かれた補助金ですので「自分のところには無縁」と思わずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

    当社代表は、ものづくり補助金の事務局を9年経験しています。ものづくり補助金については誰にも負けないと自負していますので、ものづくり補助金に少しでも興味のある方は、お気軽にご相談ください。

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