オウンドメディアのコンセプト設計|5ステップでターゲットに刺さるメディア構築

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オウンドメディアのコンセプト設計|5ステップでターゲットに刺さるメディア構築

オウンドメディアのコンセプト設計|5ステップでターゲットに刺さるメディア構築

2024/05/13

オウンドメディアは、集客のみならずブランディングや採用といった、さまざまな用途に活用できる優れたチャネルであるため、数多くの企業が運営に取り組んでいます。

とはいえオウンドメディアで成功するには、ただただ運営すればいいというわけでなく、どういったコンセプトを基に運営するのかが鍵となるのです。

この記事ではオウンドメディアの概要を踏まえつつ、コンセプトの必要性や設計手順、ポイントなどを解説します。

コンセプトの活用方法なども併せてご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。

この記事を書いた人

松村昌典(中小企業診断士)

株式会社エムアイエス 代表

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉

中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉

山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

目次

    オウンドメディアとは

    まずはオウンドメディアの概要についておさらいしましょう。

    オウンドメディアの概要

    オウンドメディアとは、自社が所有・運営するメディア全般を意味する言葉です。

    コーポレートサイトだけでなく、企業が運営するビジネスブログやECサイトなどが含まれます。

    トリプルメディア※1の一つとして数えられ、企業のWebマーケティング活動において、重要な顧客接点として活用されているのです。

    ※1トリプルメディア…オウンドメディアに加え、Web広告などのペイドメディアやSNSなどを表すアーンドメディアの3メディアの総称

    オウンドメディアの主な目的

    オウンドメディアを運営する目的としては、大きく以下の3つが挙げられます。

    目的①:ブランディング

    コーポレートサイトやブランドサイトを立ち上げ、独自のブランドカラーを確立するのに、オウンドメディアは非常に効果的です。

    自社の理念や価値観を訴求するコンテンツを発信したり、創業ストーリーや製品・サービスの開発秘話などのコンテンツを提供したりすることで、ブランディングを図ることが可能です。

    目的②:採用促進

    採用専用サイトを立ち上げ、従業員インタビューや一日のスケジュール、従業員が仕事において大切にしていることなどを訴求することで、採用促進に繋げられます。

    目的③:見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)

    ビジネスブログを運営し、見込み顧客のニーズや課題を解決する記事コンテンツなどを提供することで、検索エンジン経由で見込み顧客を獲得できます。

    オウンドメディアのメリット・デメリット

    オウンドメディアは費用対効果が高いというメリットがあります。

    オウンドメディアのコンテンツは一度提供してしまえば、Web広告のように高額な費用などを投下することなく、中長期にわたってブランディングや集客などの効果を得られるのです。

    SNSやメルマガといった、その他のマーケティング手法のコンテンツとしても活用できるため、他施策とのシナジーも発揮します。

    ただし集客やブランディングなどの効果を発揮するには、オウンドメディア自体が認知される必要があり、認知までにある程度の時間がかかるという難点があります。オウンドメディアをユーザーに認知してもらう必要があるため

    他にも、継続的に運用するための費用や人材のアサインなど、ある程度のコストがかかる点もデメリットと言えるでしょう。

    オウンドメディアのコンセプトとは

    ここからは本記事のテーマであるオウンドメディアのコンセプトについてご紹介します。

    オウンドメディアのコンセプトの概要

    オウンドメディアのコンセプトとは、オウンドメディアが顧客に提供する価値をわかりやすくまとめたメッセージです。

    オウンドメディアにおいて「どういったコンテンツを扱うのか、どういった読者を想定しているのか」などを端的に表すことで、オウンドメディアの認知拡大を促します。

    オウンドメディアのビジュアルを決める際にも、コンセプトは重要です。デザインから受ける視覚的イメージはユーザーに与える印象として影響が強く、コンセプトに沿ったデザインにすることにより、より強くオウンドメディアを印象づけられます。

    オウンドメディアのコンセプト事例

    ここでオウンドメディアにおけるコンセプトがどういったものかを理解していただくために、実際のコンセプトをいくつかご紹介します。

    オウンドメディア コンセプト 運営企業
    北欧、暮らしの道具店 フィットする暮らし、作ろう 株式会社クラシコム
    サイボウズ式 新しい価値を生み出すチームのメディア サイボウズ株式会社
    メルカン メルカリの「人」を伝える 株式会社メルカリ
    ferret マーケターのよりどころ 株式会社ベーシック
    ばね探訪 東海バネ工業のばね達が活躍する

    モノづくりの現場をレポート

    東海バネ工業株式会社

    オウンドメディアにコンセプトが求められる理由

    なぜオウンドメディアにコンセプトが必要なのでしょうか。

    オウンドメディアにコンセプトが求められる理由としては、以下の点が挙げられます。

    コンテンツに一貫性を持たせるため

    オウンドメディアで配信するコンテンツは一貫性を持たせることで、はじめて集客やブランディングの効果を発揮します。

    しかしコンセプトがなければ、顧客に提供する価値が正しく伝わらない上、提供するコンテンツの方向性にブレが生じやすくなり、オウンドメディアの効果が高まりにくいのです。

    コンセプトは提供するコンテンツに一貫性を持たせ、顧客にとってどのようなメディアかをはっきりと示す上で欠かせません。

    競合との差別化が必要であるため

    現在はさまざまな企業がオウンドメディアの運用に取り組んでおり、類似したコンテンツを提供しているオウンドメディアが数多く存在しています。

    そういった状況の中で、顧客に自社のオウンドメディアを選んでもらうには、明確な差別化ポイントが必要になります。

    独自性のあるコンセプトを設け、コンセプトに沿って一貫性のあるコンテンツを配信することで、独自のポジションを築けるのです。

    メディアの価値をわかりやすく伝えるため

    顧客がオウンドメディアを訪れたときに、その価値が正しく伝わらなければ、再度訪問してもらえる可能性は低くなります。

    顧客を惹きつけるには、どういった価値を提供しているオウンドメディアなのかを端的に伝える必要があるのです。

    オウンドメディアのコンセプトがあれば、1つのメッセージで価値を伝えられ、オウンドメディアの価値に対する理解を深めてもらえます。

    運用メンバー間で共通認識を持てるため

    オウンドメディアはディレクターやライターなど、複数のメンバーで運用します。

    コンセプトがあれば、これら運用メンバー内において、オウンドメディアで提供すべき価値やコンテンツ企画の方向性について共通認識を持ちやすくなるのです。

    各メンバーが共通認識のもと企画や運用に取り組むことで、オウンドメディアの精度や効果も高められます。

    オウンドメディアコンセプトの設計手順

    続いてオウンドメディアコンセプトの設計手順について、以下のステップに分けてご紹介します。

    ステップ1.オウンドメディア運用の目的を明確にする

    まずはオウンドメディアで果たしたい目的について明確にします。

    オウンドメディアの目的は先ほど触れたように、大きく「ブランディング」「採用促進」「見込み顧客獲得」の3つがあります。

    これらの目的の内、どの目的に力点を置いて運用するかによってコンセプトはもちろん、提供すべきコンテンツなども変わってくるため、あらかじめ明確にしておく必要があるのです。

    ここで明確にした目的は運用メンバー間でしっかりと共有し、共通認識を持っておきましょう。

    ステップ2.自社の強みを明確にする

    次に自社の強みを明確にします。

    事業上の強みや専門性などを、他社を踏まえて相対的に分析した上で、オウンドメディアのコンセプトの素材になりうる要素を列挙しましょう。

    この段階では、どの強みを反映させるのかを絞り込む必要はなく、自社の特徴や強みを棚卸するイメージで抽出します。

    この際、ディレクターなどが一人で行うのではなく、運用メンバー全員でブレインストーミングなどを行うことで、さまざまな視点から強みを抽出できるでしょう。

    ステップ3.ペルソナとカスタマージャーニーの設計

    続いてペルソナとカスタマージャーニーの設計を行います。

    まずはオウンドメディアのターゲットユーザーをペルソナとして具体化します。

    ペルソナとはターゲットユーザーの具体的な人物像のことをいいます。ペルソナを設定する際は、性別や年齢といった要素に加えて、趣味や価値観、ライフスタイルや嗜好など、なるべく詳細に設定することが重要です。

    次に作成したペルソナが各購買プロセス(認知から購買に至るまでのプロセス)で抱える悩みと、悩みに対するアプローチを整理し、時系列であらわします。これをカスタマージャーニーといいます。、どういった悩みやニーズを抱えているのか、それに対してどういったアプローチをすべきか、といった点を整理したカスタマージャーニーを設計するのです。

    ペルソナとカスタマージャーニーの設計を通じて、ターゲットユーザーのことを深く理解することで、効果的なコンセプトの策定に繋げられるでしょう。

    ステップ4.訴求する価値を定義する

    ターゲットユーザーのニーズを分析した後は、訴求すべき価値を定義します。

    ステップ2で整理した自社の強みと、ステップ3で分析したペルソナのニーズをかけ合わせ、提供すべき独自の価値、UVP(Unique Value Propotion)を定義しましょう。

    たとえばペルソナの最も大きなニーズとして「採用ノウハウについて知りたい」があり、自社の強みとして「採用マーケティングサービスの高度な知見・実績」がある場合、UVPは以下のように策定できます。

    <UVP例>

    採用に課題を抱え、少しでも効果の高い採用ノウハウを知りたいと考えているユーザーに向けて、長年の採用マーケティングサービス提供経験に基づいた、本当に効果が出ると裏付けが得られた手法について分かりやすく紹介できること

    実際には競合との差別化要素なども含めて策定するため、上記の例のように単純には策定できない点はご留意ください。

    ステップ5.コンセプトの策定

    最後に定義したUVPをベースとして、オウンドメディアのコンセプトを策定します。

    先の例を踏まえた場合、以下のようなコンセプトが考えられます。

    <コンセプト例>

    採用に悩むすべての方に寄り添う知恵袋

    コンセプトを策定する際に重視すべきポイントは「わかりやすさ」です。

    奇をてらった言い回しなどをすることなく、自社のオウンドメディアの強みや価値を端的に表しましょう。

    コンセプト候補はいくつか制作した上で、「どれが一番わかりやすいか、良いと思うか」といった点を、運営メンバー以外の社員や関係性の深い顧客などにヒアリングすることも有効です。

    第三者の意見を取り入れることで、より効果的なコンセプト設計に繋げられます。

    オウンドメディアのコンセプトを設計する際のポイント

    オウンドメディアのコンセプトを設計する際は、以下のポイントを押さえましょう。

    検討段階では話し言葉でボリュームは気にせずに作る

    1つ目のポイントは、まず話し言葉でボリュームを気にせずに作り、そこから余計な表現や言葉を削るという点です。

    いきなりキャッチコピーのように一言でまとめるには、コピーライティングなどのノウハウが必要となるため、正直難易度が高いと言えます。

    まずはターゲットユーザーに対して、オウンドメディアの魅力や価値を口頭で説明するイメージで文章に起こし、そこから余分な箇所を削ったり、より端的な言葉に置き換えたりするのです。

    こうすることで本当に重要な要素だけが残り、訴求力の高いコンセプトを策定できます。

    シンプルな言葉でストレートに表現する

    オウンドメディアのコンセプトは、シンプルかつストレートに表現することが求められます。

    しかし「かっこよさ」や「おしゃれさ」といった、顧客にとって価値のない要素に引っ張られ、婉曲な言い回しやカタカナ言葉を盛り込んでしまい、結局何が言いたいのかわからないコンセプトになってしまうケースも散見されます。

    「顧客にとっての価値をわかりやすく伝える」という大前提に立ち返り、多少無骨になったとしても、シンプルな言葉でストレートに表現する方がコンセプトの訴求効果は高まるのです。

    定期的に見直す

    テキストテキストテキストテキスト

    ポイントの最後に挙げられるのは、コンセプトを定期的に見直し、適宜ブラッシュアップするという点です。

    顧客の抱えるニーズや課題は一定ではなく、刻一刻と変わります。

    それに応じて、企業として訴求すべき価値やメッセージも変化させていかなければなりません。

    オウンドメディアのコンセプトも一度制作したものをずっと利用し続けるのではなく、状況や顧客ニーズの変化に合わせて、定期的に見直していくことが重要なのです。

    定期的な見直しを怠らずに実施することで、長期にわたって顧客から求められるオウンドメディアとして存在し続けられるでしょう。

    コンセプトの活用方法

    最後に策定したコンセプトの活用方法についてご紹介します。

    コンテンツのネタ出しの起点に活用する

    オウンドメディアのコンセプトは、コンテンツ企画における起点として活用できます。

    オウンドメディアを運営している限り、コンテンツの企画やネタ出しは常に行わなければならず、運営メンバーにとって負荷の高い業務の一つとなります。

    その点コンセプトがあることで、顧客に対してどういったコンテンツを提供すべきかの方向性は明らかになっているため、企画やネタ出しを効率的に行えるのです。

    各メンバーの企画に一貫性を担保できる点も見逃せません。

    オウンドメディアへの集客チャネルに利用する

    オウンドメディアへの流入を促す際に、コンセプトを徹底して訴求することで、効果的に認知拡大を狙うことができます。

    オウンドメディアのコンセプトは、「meta title(検索結果で表示されるWebサイト名)」や「meta description(検索結果でタイトルとともに表示される説明)」に含めることが多くなりますが、その他にも訴求できる場があります。

    オウンドメディアは基本的にはSEO(検索エンジン最適化)による流入を図りますが、Web広告やSNSも流入経路として用いることになるため、これらのチャネルでもコンセプトを訴求できるのです。

    広告の見出しテキストやSNSの投稿内容にコンセプトを含めることで、どういったオウンドメディアなのかを効率的に伝えられるでしょう。

    【補足】コンセプトから外れるコンテンツを訴求したい場合

    オウンドメディアを通じてマーケティング活動に取り組んでいると、「コンセプトとは異なるものの、有効と考えられるコンテンツを訴求したい」といったケースも出てくることが想定されます。

    そのような場合、元のオウンドメディアで取り上げてしまうと、これまで築き上げてきたコンセプトに基づくイメージなどが崩れる可能性が生じます。

    そのため、もしコンセプトから外れるコンテンツを訴求したい場合は、別ドメインで新たにオウンドメディアを立ち上げる必要がある点は留意してください。

    コンセプトを明確にしてクライアントに刺さるオウンドメディアを作ろう

    今回はオウンドメディアの概要を踏まえつつ、コンセプトの必要性や設計の手順などをまとめて解説してきました。

    オウンドメディアは現代のマーケティングにおいて重要な顧客接点の一つであり、コンテンツマーケティングなどにおいても、主軸となるチャネルとなっています。

    とはいえ数多くの企業がオウンドメディア運営に取り組んでいるため、いかに独自性のあるメディアを構築できるかに成否がかかっています。

    独自性のあるメディアであることを顧客に示す上で、コンセプトは重要な役割を果たすため、ぜひこの記事を参考にコンセプト設計に取り組んでいただければ幸いです。

    株式会社エムアイエスはターゲットに刺さるコンセプトの策定からSEO記事納品までワンストップでのオウンドメディア構築が得意です。経験豊富なディレクター率いる記事制作チームが一丸となって、貴社のオウンドメディアを構築します。オウンドメディア構築にリソースが割けない、取り組んでみたけど難しかった、といった経験のある方はお気軽に当社までご相談ください。

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