ものづくり補助金の採択後の流れは?事務局経験者が丁寧に解説します

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ものづくり補助金の採択後の流れは?事務局経験者が丁寧に解説します

ものづくり補助金の採択後の流れは?事務局経験者が丁寧に解説します

2024/03/01

ものづくり補助金は、応募して採択されたら補助金がすぐもらえるというわけではなく、採択後におこなわなければならない決められた手順があります。よく知らないまま事業を進めてしまうと、せっかく採択されたのに補助金をもらえない、ということになりかねませんので、どのような流れで事業を進めていったらいいのかをしっかり把握しておくことが重要です。

当社代表は、ものづくり補助金の地域事務局をしている山口県中小企業団体中央会に、平成25年から令和4年3月まで在席しており、中核メンバーとして令和3年までの9年間でおよそ2000件の事業計画に携わりました。

今回の記事では、ものづくり補助金の事務局を務めた経験から、採択後の流れについて丁寧に解説していきます。

目次

    ものづくり補助金採択後の流れ

    ものづくり補助金の採択後の流れは、以下のとおりです。

    1. 交付申請書提出
    2. 交付決定 ※交付決定後、補助事業を開始
    3. 遂行状況報告書提出
    4. 実績報告書提出
    5. 確定検査
    6. 補助金額の確定
    7. 補助金精算払請求
    8. 補助金の支払い
    9. 事業化状況報告書の提出

     

    ①交付申請

    ものづくり補助金に採択されたら、いちばん最初に実施しなくてはならない手続きである、交付申請書の提出について解説します。

    申請期限はないが採択後1か月を目安に申請する

    ものづくり補助金に採択されても、補助金がもらえると決まったわけではありません。まず、交付申請書をすみやかに提出する必要があります。

    交付申請書の提出期限は設けられていませんが、内容を審査し交付決定されるまで、1か月近くかかることもあります。補助事業の実施期間が短くなってしまうので、採択後1か月を目安に申請しましょう。

    見積書が必要となる

    交付申請の際、提出する書類は、以下のとおりです。

    • 申請内容ファイル(電子申請システムからダウンロード)
    • 見積書
    • 履歴事項全部証明書の写し(法人)、確定申告書の写し(個人) ※応募の際、最新のものを提出していれば不要

    見積書は、単価50万円(税抜き)以上の費用については、2者以上の見積書を用意しなくてはなりません。これは、同じ条件、同じ仕様で取得する必要がありますので、注意してください。また、交付申請日時点有効であること、税抜き価格の表示があることも必須条件となっています。

    ②補助事業開始

    交付申請書提出後、補助事業を開始する際に注意する点について、解説します。

    発注や対象経費の支払いは交付決定後におこなう

    交付申請で提出した書類が審査され、補助対象経費が含まれていないか等問題がなければ、交付決定の手続きがなされ、「補助金交付決定通知書」が発行されます。その書類に記載されている交付決定日が、事業を始めることのできる日です。

    交付決定前に発注や契約、支払いをしてしまった場合、補助事業の対象となりませんので、必ず交付決定日以降に事業を開始してください。

    事業計画書に沿って事業を実施する

    交付決定後は、提出した事業計画書に沿って、事業を実施していく必要があります。

    事業を実施する中で、やむを得ず事業計画や購入する機械設備・システム、補助事業実施場所、経費配分等に変更がある場合は、事前に事務局へ連絡した上で、「補助事業計画変更承認申請書」を提出する必要があります。

    変更の承認を受けていない場合、事業計画に記載のないものは補助金の対象になりませんので、必ず事前に申請をするようにしましょう。

    ③遂行状況報告

    事務局より依頼があった場合、補助事業の途中経過を報告する「遂行状況報告書」を提出する必要があります。遂行状況報告書とはどのようなものなのか、解説します。

    計画変更した場合は変更後の内容で報告をする

    遂行状況報告書には、報告基準日時点での補助事業の実施状況を詳しく記載します。計画変更の承認を受けている場合は、変更後の内容で報告する必要があります。

    予算と実績金額の違いを明確にする

    遂行状況報告書には、補助金の交付決定額と実際に使った金額を記載します。

    補助金交付決定額はあくまで予算であり、実際に支払った金額と異なる場合がありますので、報告基準日時点において支出した金額を報告します。

    対象物品が破損した場合、再度購入しないと補助金自体なくなる

    稀なケースですが、事業実施中に火災などで補助金対象物品が破損することがあります。

    破損してしまうと、同じ設備を準備しない限り補助金の対象外となってしまいます。再度購入するにせよ、補助金を諦めるにせよ、金額的なロスは免れません。

    ものづくり補助金に申請する前には、導入物品の火災保険への加入と設備に対する特約をつけておくことを強くおすすめします。

    ④実績報告

    実績報告書には、おこなった補助事業の具体的な内容とその成果を記載します。ものづくり補助金は、設備を設置・導入しただけでは補助対象となりませんので、必ず事業計画で記載している目標に対する検証をおこない、どのような成果が得られたかについて記述してください。

    例えば、機械設備を導入して生産プロセスの改善を図る計画の場合は、設備導入後にどれだけ時間が短縮されたか、どれだけ多く作れるようになったかなど、成果を具体的に記載します。

    実績報告書の提出期限は、事業完了日から起算して30日を経過した日、もしくは、交付決定通知書に記載してある補助事業完了期限日のいずれか早い日です。

    Jグランツから提出する前に、地域事務局へ電子メールで書類を送付し事前確認を受ける必要がありますので、事業が完了したら早めに作成に取りかかりましょう。

    実績報告書に添付する書類の主なものは、以下のとおりです。

    • 取得財産管理台帳
    • 経費明細表
    • 預金出納帳、現金出納帳
    • 通帳コピー
    • 経理書類一式

    ⑤確定検査

    実績報告書の提出が済んだら、実績報告書の内容に基づいて地域事務局による確定検査がおこなわれます。

    事業実施に対するヒアリングと導入物品の現物確認がおこなわれる

    確定検査では、地域事務局が事業実施場所へ訪問し、事業内容のヒアリングや導入物品・証拠書類の確認などをおこないます。

    ヒアリングでは、実施した事業内容や、事業を実施したことでどのような成果が得られたか、今後どのような展望を考えているかなどを聞かれますので、答えられるように事前に準備しておきましょう。

    そして、事業計画どおりの物品が導入されているか、必要書類がきちんと整備されているかを、現物を見ながら確認します。

    とくに問題がなければ、確定検査は1~2時間程度で終わります。

    各種会計書類の整理状況の確認をおこなっておく

    確定検査では、会計書類をとくに入念に確認されますので、不備のないよう整理しておくことが重要です。

    必要な経理書類は以下のとおりです。

    • 見積依頼書(仕様書)
    • 見積書
    • 相見積書
    • 注文書(契約書)
    • 受注書
    • 納品書
    • 請求書
    • 振込依頼書

    これらは、発行日の整合性がとれているか、設備の型式が実物と合致しているか、金額に間違いが無いかなど、細かく見られます。

     

    記載内容に不備がないか、また、不足している書類はないか、よく確認してから確定検査に臨みましょう。

    ⑥補助金の請求・振込

    補助金の請求・振込について、解説します。

    補助金額の確定を受けてから請求する

    確定検査が終わった後、問題がなければ1週間程度で補助金額の確定通知がきます。通知が来てから、Jグランツ上で補助金の請求をおこないます。

    補助金入金口座は必ずしも事業経費支出口座でなくてもよい

    補助金の入金口座は、事業者の任意の口座でかまいませんので、補助金請求の際は、振込を希望する口座情報を記載します。

    ⑦事業化状況報告

    ものづくり補助金は、補助金をもらって終わり、というわけではなく、事業終了後にもおこなう義務があります。その義務である事業化状況報告について、解説します。

    5年間の状況報告義務がある

    補助事業終了後5年間、補助事業の成果の事業化についての報告書を提出する義務があります。

    まだ事業化できておらず、成果があがっていない場合でも、「事業化なし」として報告する必要があります。

    報告しなかった場合、補助金の返還を求められたり、今後ものづくり補助金だけでなく他の国の補助金に応募できなくなったりする可能性がありますので、忘れないように気をつけましょう。報告時期が近づいてきたら、登録したメールアドレスあてに案内が届きますので、補助事業完了後も使用できるメールアドレスを登録するようにしてください。

    賃上げ誓約書は必須条件

    ものづくり補助金に応募する際、要件を満たす賃上げ実施を誓約する必要がありますが、実際におこなった賃金の引き上げ状況も毎年報告する義務があります。

    給与支払総額、事業場内最低賃金が、公募要領に定められた基本要件を満たしていない場合は、補助金の返還を求められることがありますので、必ず賃上げの要件を守るようにしましょう。

    ものづくり補助金の採択後の流れについてよくある質問

    最後に、ものづくり補助金採択後の流れについてのよくある質問に回答します。

    ものづくり補助金はいつ振り込まれますか?

    ものづくり補助金は補助金精算払請求をしてから、2週間~4週間程度で振り込まれます。

    ものづくり補助金で事前着手してしまった場合はどうなりますか?

    ものづくり補助金は、事前着手の制度がありませんので、対象外となります。

    採択されてからが本番!スケジュールを組んで事業を進めよう

    ものづくり補助金は、採択後、提出しなくてはならない書類や、しなくてはならない手続きがたくさんあります。補助金を得るためには、採択後の流れをきちんと理解した上で、スケジュールに沿って事業を進めていくことが重要です。

    どうしたらいいのか、自分にできるのかなど不安に思われたときは、迷わずプロに頼りましょう。当社は、ものづくり補助金の地域事務局を経験したことのある中小企業診断士がおり、万全のサポート体制をもっています。お気軽にご相談ください。

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