SNS分析とは?目的とやり方、知っておくべき課題と解決策

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SNS分析とは?目的とやり方、知っておくべき課題と解決策

SNS分析とは?目的とやり方、知っておくべき課題と解決策

2024/08/16

SNS分析は、ソーシャルネットワーク上のデータを分析して企業活動に役立てる手法です。SNS分析により、企業はSNS運用の効果を測定したり、ユーザーのニーズや競合他社の動向を把握したりできます。

本記事では、SNS分析の目的から具体的なやり方、知っておくべき課題と解決策まで、詳しく解説します。SNSをマーケティング活動に活かしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

松村昌典

株式会社エムアイエス 代表

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉

中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉

山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

目次

    SNS分析とは?

    SNS分析とは、InstagramやX(旧Twitter)、Facebook、TikTokなどのソーシャルメディア上の投稿やデータを分析し、企業活動に役立てることです。ソーシャルメディア分析やソーシャルリスニングなどと呼ばれることもあります。

    ユーザーの投稿やコメント、反応などのデータを活用することで、企業は自社アカウントの運用効果や市場トレンド、顧客の意見・ニーズなどを把握できます。

    SNSが広く普及した昨今、自社アカウントの運用に加えて、SNS分析までしっかり行うことで、企業は売上アップや販路拡大などのマーケティング戦略を最適化することが可能になります。

    SNS分析を行う目的

    企業がSNS分析を行う主な目的は主に3つあります。

    • SNS運用の効果を測るため
    • ユーザーのニーズを把握するため
    • 競合他社の情報を入手するため

    それぞれ順に詳しく紹介していきます。

    SNS運用の効果を測るため

    SNS分析は、企業が運用するSNSアカウントの効果を確認し、改善につなげるのに役立ちます。

    投稿の反応やエンゲージメント率、フォロワーの増減などのデータを分析することで、コンテンツやキャンペーンのパフォーマンスを把握できます。パフォーマンスが悪かった投稿からは改善点が明確になるため、結果としてより効果的なSNSマーケティング戦略の構築が可能になります。

    SNS運用においては、ただ投稿をするだけでなく、SNS分析・調査を通してファンを増やしたり、消費者のエンゲージメントを高めたりする取り組みが大切です。

    ユーザーのニーズを把握するため

    ユーザーのニーズを把握することも、SNS分析を行う大切な目的の1つです。

    SNS上の投稿やコメント、レビューなどからユーザーの意見や感情を分析することで、商品やサービスに対する消費者の不満や要望が明らかになります。

    消費者の忖度ない声からリアルなニーズがわかるため、新製品・サービスの開発や既存品の改良、カスタマーサポートの品質向上、料金改定などに役立てることができます。

    SNS分析は、従来のアンケート調査やインタビューと比べてよりリアルな消費者の声を得られることから、ユーザーのニーズ把握に適しています。

    競合他社の情報を入手するため

    SNS分析には、競合他社の情報を入手するという目的もあります。

    SNS分析では、競合他社のSNSアカウントでの活動や顧客の反応を分析することで、市場のポジショニングや戦略の違いを把握できます。競合他社の成功している投稿やキャンペーンに関する情報を収集し、自社のSNS運用に役立てることで、競争力を強化することが可能です。

    また、競合他社の情報を入手することで、自社の強みを活かした差別化戦略や、競合の弱点を突いたアプローチの展開などもしやすくなります。

    SNS分析の手法(やり方)

    では、実際にどのようにしてSNS分析を行えばいいのでしょうか?SNS分析のやり方を手順に沿って解説していきます。

    1. SNS運用の目標を明確にする
    2. SNSのアナリティクス・インサイトを確認する
    3. データを整理する
    4. 施策を検討する

    ステップ1:SNS運用の目標を明確にする

    まずは、SNS運用の目標を明確にしましょう。
    ブランド認知度の向上や顧客エンゲージメントの強化、販路拡大など、具体的な目的を設定することで、データ収集や分析の指針が明確になります。
    また、InstagramやX、TikTokなど、SNSはプラットフォームごとに特徴やユーザー層が大きく異なるります。各プラットフォームの特徴に合わせて具体的なKPIを設定すると、より効果的な運用が可能になります。

    ステップ2:SNSのアナリティクス・インサイトを確認する

    SNS運用を始めたら、次にSNSのアナリティクス・インサイト機能を活用して、投稿やフォロワーの反応を確認しましょう。

    各SNSには基本的なデータの収集と分析を行えるアナリティクスやインサイトという機能が搭載されています。これらの機能を活用することで、「どの投稿がユーザーに響いたか」「ハッシュタグが効果的だったか」などがわかります。

    ここでは、代表的な3つのSNSのアナリティクス・インサイトの見方を紹介します。

    Instagramインサイトの見方

    Instagramでは、インサイトという機能を使って主に以下のデータを分析できます。

    • リーチしたアカウント
    • アクションを実行したアカウント
    • 合計フォロワー数
    • あなたがシェアしたコンテンツ

    インサイトは、アカウントをビジネスプロフィールに切り替えることで無料で利用できます。アカウントのインサイトとコンテンツのインサイトの2種類があり、前者ではアカウントの成長を、後者ではそれぞれの投稿のデータを確認できます。

    アカウントのインサイトを見るには、プロフィール画面に表示されている「プロフェッショナルダッシュボード」ボタンをタップします。投稿ごとのインサイトは、各投稿の左下にある「インサイトを表示」をタップすると確認できます。

     

    X (旧Twitter)アナリティクスの見方

    Xでは、アナリティクス機能を活用して、主に以下のデータを確認できます。

    • インプレッション数
    • エンゲージメント率
    • プロフィールへのアクセス数
    • 新しいフォロー
    • リンククリック数
    • 返信
    • いいね
    • リポスト

    アナリティクスは、従来は無料で提供されていましたが、現在は利用するには有料プラン「X Premium」への加入が必要です。

    アナリティクスを見るには、パソコンでXを開き、サイドバーにある「プレミアム」をクリックします。メニューで「アナリティクス」をクリックすると、アナリティクスの画面が開きます。

    確認したいデータを選んだり、比較したい期間を選択したりして、グラフの分析を行いましょう。

    X (旧Twitter)アナリティクスの見方

    Xでは、アナリティクス機能を活用して、主に以下のデータを確認できます。

    • 動画の視聴
    • プロフィールの表示回数
    • いいね
    • コメント
    • フォロワー数

    インサイトを見るには、プロフィール画面の右上にあるメニューバーをタップし、クリエイターツールを選びます。インサイトを選択し、「動画が1本以上公開されている」という条件を満たしている場合は「オンにする」をタップすると、インサイトを閲覧できるようになります。

    ステップ3:データを整理する

    続いて、収集したデータを整理して分析しやすい形に整えます。エクセルや専用のSNS分析ツールなどを活用して、エンゲージメント率やフォロワー数の推移など、自社で設定したKPIに合わせて重要な指標を抽出しましょう。

    データを整理し、自社アカウントの運用効果やトレンド、消費者のニーズなどを把握できるようにすることで、効果的なマーケティング戦略を立てやすくなります。

    ステップ4:施策を検討する

    整理したデータをもとに、具体的な施策を検討します。これまでのSNS運用で得られた消費者の反応や競合他社の動向などを参考に、キャンペーンやSNS広告などのプランを立てましょう。

    データに基づいてPDCAサイクルを回すことで、SNS運用の効果を最大化し、企業のマーケティング戦略を支援することが可能になります。

    SNS分析を行う際の課題(デメリット)と解決方法

    企業がSNS分析を行うにあたっては、2つの課題があります。

    • 情報の精査に時間がかかる
    • ユーザーの属性が特定しにくい

    それぞれの課題について、解決方法と併せて紹介していきます。

    情報の精査に時間がかかる

    SNS分析では大量のデータを扱うため、情報の精査に時間がかかります。会社によってはSNS分析のために新たに人員やリソースを確保する必要があるでしょう。

    この課題を解決するには、SNS分析や管理に特化した専用ツールの導入が有効です。たとえば、Meltwaterのソーシャルメディアマネジメントツールを活用すれば、1つのプラットフォームで複数のSNSアカウントを一括管理できます。

    一貫した指標で複数のSNSからデータを抽出し、自動的にレポート作成してくれるため、SNS分析にかかる手間と時間を削減できます。SNS分析を行う際は、SNS分析ツールを活用した効率化を検討しましょう。

    ユーザーの属性が特定しにくい

    SNS分析における大きな課題の一つは、ユーザーの属性を特定することが難しい点です。

    SNSは匿名性が高く、アカウントのプロフィール情報が不完全であったり、虚偽の情報が含まれていたりすることがあります。そのため、従来のアンケート調査やインタビューのように、年齢や性別、地域、などのデータを正確に取得することは困難です。

    この課題を解決するには、各SNSに搭載されたアナリティクスやインサイトの活用が有効です。プラットフォームによっては、ユーザーがアカウント作成時に入力した情報をもとに、年齢や性別、地域などの属性データを確認できることがあります。

    まとめ

    本記事では、SNS分析の目的と具体的なやり方、知っておくべき課題と解決策について解説しました。

    SNS分析は、自社SNSアカウントの運用効果や消費者ニーズ、市場動向などを把握し、効果的なマーケティング戦略を構築するための強力な手法です。上手に活用することで、顧客満足度の向上や競争力の強化を図れるでしょう。

    今回紹介したやり方や課題の解決策を参考に、SNS分析に取り組んでみてください。

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