インフルエンサーマーケティングのメリット5選・デメリット4選|成功事例も紹介

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インフルエンサーマーケティングのメリット5選・デメリット4選|成功事例も紹介

インフルエンサーマーケティングのメリット5選・デメリット4選|成功事例も紹介

2024/10/01

SNSの普及により、インフルエンサーマーケティングが身近になりました。しかし「流行っているのは知っているけど内容はよくわからない、といった人も多いのではないでしょうか。

この記事では、インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット、成功事例、PRを依頼する方法などを解説します。

 

この記事を書いた人

松村昌典

株式会社エムアイエス 代表

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉

中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉

山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

目次

    インフルエンサーマーケティングの基礎知識

    インフルエンサーマーケティングとは、集客力を持つ「インフルエンサー」と呼ばれる人達を活用したマーケティング手法です。SNSの普及と同時に爆発的な広がりを見せるインフルエンサーマーケティングについて基礎を解説します。

    インフルエンサーとは

    インフルエンサーとは、特定の分野において高い影響力を持つ個人を指す言葉です。
    2000年代ではいわゆる「ブロガー」と呼ばれる人達がインフルエンサーとして扱われていました。2020年代の現在ではSNSの普及に伴い、SNSで多くのフォロワーを持ち「あの人が紹介するから買ってみよう」と、フォロワーの購買意欲を高められるような人達のことを指すようになっています。
    多くの場合、インフルエンサーによって得意領域は異なりますが、最近では芸能人がマルチにインフルエンサーとして活躍するケースもあります。

    【インフルエンサーと領域の例】

    • 読者モデル×化粧品
    • 料理研究家×食品メーカー

    インフルエンサーの分類

    インフルエンサーは以下のように分類できます。

    分類 フォロワー数 特徴
    トップインフルエンサー
    (メガインフルエンサー)
    100万人以上 テレビなどのマスメディアに出る芸能人やモデルなど

    幅広い年齢層からの人気が高い

    ミドルインフルエンサー 10万人~100万人 美容や料理など特定のジャンルで影響力が強い

    インフルエンサーマーケティングにおいて費用対効果が高い

    マイクロインフルエンサー 1万人~10万人 会社員や学生と並行しながらインフルエンサー活動をしている人も多い

    マーケティングにおいて費用対効果が高い

    ナノインフルエンサー 1,000人~1万人 登録者数の少なさからフォロワーとの距離の近さを活かしたマーケティング戦略が強み

    活用できる媒体

    インフルエンサーマーケティングは、ほとんどのSNSで活用できます。

    【インフルエンサーマーケティングの主戦場】

    • Instagram:画像を活用した、視覚的にイメージを訴求する商品・サービスに向いている
    • TikTok:ポップで勢いのあるショート画像を活用したPRに向いている
    • X:テキストやマンガ形式によるPRに向いている
    • YouTube:年齢問わず幅広い層にアプローチ可能

    インフルエンサーマーケティングのメリット5選

    インフルエンサーマーケティングのメリットは以下のとおりです。

    • 共感や信頼を得やすい
    • ターゲティングがしやすい
    • 宣伝感がなく受け入れられやすい
    • 情報の拡散が期待できる
    • SEO効果が期待できる

    共感や信頼を得やすい

    インフルエンサーをフォローしている人は、基本的にファンです。フォロワーはインフルエンサーを信頼していることが多く、インフルエンサーが発信する情報に対して、フォロワーは共感や信頼を抱きやすいという特徴があります。

    まるで友人に勧められたかのような感覚で、商品やサービスを受け入れることができるため、購買意欲の向上につながります。

    ターゲティングがしやすい

    各SNSには、年齢、性別、興味関心など、ユーザーの属性に関する詳細なデータが蓄積されています。これらのデータを利用することで、自社の製品やサービスに合ったインフルエンサーを選定し、特定のターゲット層にピンポイントでアプローチすることが可能です。
    従来のマス広告と比較して、より効率的なマーケティングが可能になります。

    タイトル

    インフルエンサーによる発信は、従来の広告のような宣伝感が少なく、自然な形で製品やサービスを紹介しているように感じられます。

    消費者は、プロモーションだとわかる投稿にはエンゲージメントを感じにくい傾向があります。インフルエンサーマーケティングでは、消費者は抵抗感なく情報を受け入れられるため、高い広告効果が期待できます。

    まるで友人が自身の体験談として語っているかのような感覚で、商品やサービスへの興味が高まるのです。

    情報の拡散が期待できる

    フォロワーは、インフルエンサーの投稿を積極的にシェアする傾向があります。インフルエンサーが自社製品やサービスを紹介することで、フォロワーの口コミ効果によって情報が拡散され、ブランド認知度向上や売上アップにつながる可能性があります。

    SNS上でのバズを生み出し、短期間で多くの人の目に触れる機会を増やすことができるでしょう。

    SEO効果が期待できる

    インフルエンサーマーケティングは、間接的なSEO効果があります。
    SNSにリンクを貼ることは、直接的なSEO効果はありません。しかし、その高い拡散力により認知度がアップし、自然な被リンク獲得につながる可能性があります。インフルエンサー自身がWebサイトを保有している場合、自社サイトのリンクを貼ってもらえば、検索エンジンから評価の高いドメインからの被リンクを得ることにもつながるでしょう。
    認知度アップにより、指名検索が増えたり検索画面での露出が増えたりすることにより、SEO効果が期待できます。
    SEO対策の一環として、インフルエンサーマーケティングを取り入れることで、より多くのユーザーに自社サイトを見つけてもらうことができます。

    インフルエンサーマーケティングのデメリット4選

    インフルエンサーマーケティングのデメリットは以下のとおりです。

    • 炎上のリスクがある
    • インフルエンサー選定が難しい
    • 費用が高い
    • 効果が読みにくい

    炎上のリスクがある

    インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーの発言や行動によって、企業イメージを大きく損なうリスクがあります。

    インフルエンサーが過去の言動によって炎上したり、スキャンダルを起こした場合、企業は飛び火的なイメージダウンを避けられません。インフルエンサーの言動すべてを縛ることはできないため、インフルエンサーマーケティングの大きなデメリットといえるでしょう。

    インフルエンサー選定が難しい

    インフルエンサーを選定する際には、多くのポイントを満たす必要があります。

    • ターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層が重なるか
    • インフルエンサーの個性とブランドイメージは重なるか
    • インフルエンサーとコンテンツの親和性はあるか
    • 費用感に問題はないか

    インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、適切なインフルエンサー選びが必要不可欠です。多くの条件を満たすインフルエンサーを選定するのは簡単ではありません。

    費用が高い

    インフルエンサーマーケティングは、1回の依頼で30万円~100万円といわれており、他のマーケティング手法と比べて高額です。

    インフルエンサーマーケティングにかかる費用】

    • インフルエンサーへの報酬:フォロワー数×2~4円が相場 フォロワー数10万人のインフルエンサーに依頼した場合、20万円~40万円
    • 代理店への報酬:インフルエンサーへの報酬の10~30%が相場
    • インフルエンサーに使用してもらう商品代金と配送料
    • 二次利用費:インフルエンサーが自分のアカウントで投稿した内容を自社のPRで再使用する際に発生する費用

    フォロワー数が多い人気インフルエンサーへの依頼は、莫大な費用を要します。中小企業にとっては、予算の制約から思うようなマーケティング施策を打ち出せないかもしれません。

    また、インフルエンサーの報酬は、案件の内容や期間、求められる成果によって大きく変動するため、費用対効果を測ることが難しいという課題もあります。

    効果が読みにくい

    インフルエンサーマーケティングの効果測定は、従来のマーケティング手法に比べて複雑であり、明確な指標を定めることが難しい側面があります。

    フォロワー数の増加やエンゲージメント率の上昇といった数値は、必ずしも売上やブランド認知度向上に直結するとは限りません。また、インフルエンサーの影響力は長期的なブランドイメージ形成にも影響を与えるため、継続的なモニタリングと分析が必要です。

    インフルエンサーマーケティングの注意点

    プロモーション効果の高いインフルエンサーマーケティングですが、実施する際にはいくつかの注意点があります。

    • 目的に合わせたインフルエンサーを起用する
    • KPIを明確に設定する
    • インフルエンサーにも裁量権を持たせる
    • 自社のアカウント構築を念入りにおこなう

    目的に合わせたインフルエンサーを起用する

    インフルエンサーマーケティングにおいてもっとも重要なのは、自社のマーケティング目標に合致したインフルエンサーを選ぶことです。フォロワー数が多いインフルエンサーだからといって、必ずしも自社の商品やサービスに適しているとは限りません。

    インフルエンサーの属性、過去の投稿内容などを分析し、自社のターゲット層と共通点が多いインフルエンサーを選ぶ必要があります。たとえば、高級ブランドであれば、洗練されたイメージを持つインフルエンサー、若者向けの商品であれば、トレンドに敏感なインフルエンサーを選ぶなど、戦略的な選定が求められます。

    KPIを明確に設定する

    「KPI」とは、”Key Performance Indicator”の略で「主要業績評価指標」のことで、企業や各事業の目標を達成するために重要な、業績評価の指標を数値化したものです。インフルエンサーマーケティングが失敗する理由として、KPIの設定が複雑で、適切に設定できていないことが挙げられます。

    インフルエンサーマーケティングをはじめ、SNSを活用したマーケティング手法におけるKPIは以下のとおりです。

    • インプレッション数 / リーチ数:投稿が表示された回数 / 投稿を見たユーザー数
    • エンゲージメント数:ユーザーのリアクション数やその割合
    • UGC数:「ユーザーが発信したコンテンツ」数
    • サイト遷移数(クリック数):PR投稿から企業ウェブサイトなどに遷移された数
    • コンバージョン:商品購入数などのマーケティングの最終的成果

    インフルエンサーにも裁量権を持たせる

    インフルエンサーは、個人としての魅力や発信力によって多くのフォロワーを獲得しています。過度に企業側の意図を押しつけ、自由な表現を制限してしまうと、インフルエンサーの個性や魅力が損なわれてしまい、かえって効果が薄れてしまうリスクがあります。

    ある程度の裁量を与え、インフルエンサー自身の言葉で商品やサービスの魅力を伝えることで、より自然な形でフォロワーにアプローチすることができます。

    ただし、企業側のブランドイメージを損なうような言動は避けなければならないため、事前にしっかりとコミュニケーションを取り、共通認識を持っておくことが重要です。

    自社のアカウント構築を念入りにおこなう

    インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーのアカウントで発信すれば終わりではなく、自社のアカウントの運用も重要です。
    インフルエンサーが投稿した内容に対して、自社アカウントからも積極的にコメントや返信をすることで、より多くのフォロワーに自社の存在を知ってもらうことができます。また、自社アカウントでキャンペーンを実施したり、限定コンテンツを配信したりすることで、インフルエンサーとのコラボレーションをより一層盛り上げることができます。
    インフルエンサーマーケティングを開始する前に、自社のアカウントのプロフィールや投稿内容をしっかりと見直し、魅力的なアカウントへと作り上げていく必要があります。

    インフルエンサーマーケティングの成功事例

    インフルエンサーマーケティングの成功事例を、各媒体ごとに紹介します。

    • YouTubeの成功事例:アサヒビール株式会社 
    • Instagramでの成功事例:ファッションセンターしまむら
    • TikTokでの成功事例:キユーピー株式会社
    • X(Twitter)での成功事例:ヒラキ株式会社

    YouTubeの成功事例:アサヒビール株式会社

    アサヒビールは公式SNSアカウントも持っていますが、インフルエンサーマーケティングを取り入れ、効果的な宣伝戦略に取り組んでいます。

    YouTube戦略では、大人気ユーチューバー「はじめしゃちょー」さんなど総勢50組のインフルエンサーとコラボレーションしており、大手企業ならではの資金力を活かした戦略を取りました。

    YouTubeだけではなく、InstagramやXの公式アカウントも運用しており、多角的にアプローチしています。

    中小企業が同様の戦略を取ることは難しいかもしれませんが、複数のSNS活用が重要であることを示しています。

    Instagramでの成功事例:ファッションセンターしまむら

    低価格帯のファッションアイテムで人気のしまむらですが、アパレルと相性のよいInstagramでのインフルエンサーマーケティングに成功しました。

    インフルエンサー「プチプラのあや」さんを起用し、PR投稿でコーディネート例を見せつつ、キャプションで価格や商品名を記載しています。

    参考:https://www.instagram.com/p/CFOMtMtgENj/?hl=af&img_index=1

    しまむらのターゲット層に合わせてカタログやチラシ形式で掲載しており、より親近感を訴求したPR戦略です。
    ターゲットの視点に立った戦略で成功した事例といえます。
     

    TikTokでの成功事例:キユーピー株式会社

    マヨネーズやドレッシングで馴染みのあるキユーピー株式会社。若者のSNSと思われがちなTikTokですが、家庭を持つ30代にも人気があることに着目したキユーピーは、ファミリーインフルエンサー「ファーストキッズTV」さんを起用したTikTokマーケティング戦略を実施しました。

    参考:ファーストキッズTV #キユーピー3分クッキング踊ってみた

    「キユーピー3分クッキング」のBGM動画に合わせたキュートなダンス動画で、ターゲット層であるファミリー層に効果的な訴求ができている事例です。

    X(Twitter)での成功事例:ヒラキ株式会社 

    靴を中心に衣料品・日用雑貨を製造・販売するヒラキ株式会社は、多数のWeb漫画インフルエンサーを起用し、X上で自社商品のPRを実施しました。

    特徴は、漫画という媒体を活用して自社製品のメリットを定性的にわかりやすく訴求していることです。

    Xでは多くのWeb漫画がポストされており、SNSの特徴を活かしたマーケティング戦略といえるでしょう。

    インフルエンサーへの依頼方法

    インフルエンサーマーケティングに興味はあるけれど、インフルエンサーへの依頼方法がわからないという人もいるのではないでしょうか。ここではインフルエンサーへの依頼方法について解説します。

    インフルエンサーに直接コンタクトを取る

    いちばんシンプルな方法は、直接インフルエンサーにコンタクトを取ることです。DM(ダイレクトメッセージ)やメールで、コラボレーションの提案を行います。

    【直接コンタクトのメリット】

    • 仲介費用がかからずコストを抑えられる
    • 柔軟な交渉が可能
    • 親密な関係を築ける可能性がある

    【直接コンタクトのデメリット】

    • 返信がない可能性がある
    • 相場がわからず、交渉が難しい場合がある
    • トラブル発生時の対応が大変

    キャスティング専門会社に依頼する

    インフルエンサーマーケテイングの普及により、インフルエンサー特化したキャスティング専門会社というものが存在します。

    【キャスティング専門会社のメリット】

    • 適切なインフルエンサーを提案してもらえる
    • 契約交渉や進捗管理の手間が省ける
    • 業界の知見やノウハウを活かした提案が期待できる

    【キャスティング専門会社のデメリット】

    • 仲介費用がかかる
    • 自社の意図が正確に伝わらない可能性がある
    • 競合企業が同じインフルエンサーに依頼している可能性がある

    インフルエンサープラットフォームを利用する

    インフルエンサーと企業をマッチングさせるプラットフォームを利用する方法です。プラットフォームにはSPIRITTRIBE INFLUENCERなどがあります。

    【プラットフォームのメリット】

    • 多くのインフルエンサーの中から条件に合う人物を検索できる
    • 過去の投稿実績や料金などを比較検討できる
    • プラットフォームが契約や支払いなどを代行してくれる場合がある

    【プラットフォームのデメリット】

    • プラットフォーム利用料がかかる場合がある
    • 競合他社との競争が激しい場合がある
    • プラットフォームに登録されていないインフルエンサーには依頼できない

    特徴を理解するのがインフルエンサーマーケティング成功のカギ

    インフルエンサーマーケティングは慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、特徴を理解して実践することで、より大きなマーケティング効果が期待できます。

    インフルエンサーマーケティングは、ただ人気なインフルエンサーを選ぶだけでは成功しません。フォロワー属性、発信内容、エンゲージメント率など、それぞれのインフルエンサーの特徴を深く理解することが重要です。インフルエンサーの個性に合わせた企画を提案することも重要です。

    メリット・デメリットを理解して、インフルエンサーマーケティングにチャレンジしてみましょう。

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