社長交代による企業のリスク|中小企業がとるべき引き継ぎ対策とは?
2024/09/10
事業承継を行う際に注意しなければならないのが、リスク面の問題です。円滑に経営者の交代ができればよいのですが、段取りを間違えると、さまざまな問題に直面し、今後の経営にも支障が出かねません。
本記事では、社長交代による企業のリスクを中心に、リスクの種類や事業承継の難しさ、対処法などを解説します。
目次
社長交代が企業にもたらすリスク
事業承継に伴い社長を交代する場合には、企業にとってのリスクは少なくありません。
ここでは社長交代時の会社のリスクについて解説します。
事業継承による後任社長のリスク
事業承継をする際には、後任社長にもさまざまなリスクが襲い掛かります。
例えば、「個人保証の引き継ぎ」や「株式の買い取り」「事業承継で発生する税金」なども後任社長からすれば相当なリスクです。
事業承継が難しいと言われる理由
事業承継がなかなかスムーズにいかず、難しいと言われる理由にはいくつかのことが考えられます。
社長交代は「育成する」と「探す」の二択
スムーズな社長交代を目指す際には、育成することもしくは、適切な人材を見出して任せることの2つから選ぶことになります。
後継者を育成する
社員を始め、取引先や顧客などに納得してもらうためにも、後継者の育成が欠かせません。
事業承継がうまくいくケースでは、ある程度社会人としての経験をさせてから後継者候補となる親族を自社に入社させます。その後、社内で実績を積み重ね、良きタイミングで交代するケースが多いでしょう。
業界や組織について、さまざまな部門で経験し、昇格していく中でリーダーシップを培うことで、周囲の理解を得やすくなります。
また、先代が代表取締役社長を辞しても会長に就任すれば、影響力も多少残るため安心です。準備の時間がしっかり取れれば対応もしやすく、トップが変化することに対する周囲の不安も小さくなりやすいでしょう。
社長交代に関するよくある質問
社長交代にかかる日数や社長交代によくある理由などをまとめました。
中小企業の社長交代でよくある理由は?
中小企業の社長交代のケースでよくあるのは、経営者の高齢化です。中小企業の経営者が70歳以上になっても、およそ4割弱の企業では事業承継の着手すら行われていないことが過去の調査で明らかになっています。
参照:社団法人 中小企業研究センター「中小企業の事業承継に関する調査研究」
また、規模が小さい企業ほど親族への継承を目指しやすく、内部昇格は大企業ほど多くはありません。
高齢で引退を目指す際、優秀な人材を発掘して担当させるというよりも、なるべく親族に任せたいと考える中小企業の社長が多いことがうかがえます。
まとめ
事業承継にはさまざまなリスクがありますが、対策を立てることでリスクをケアできます。
近年では日本政策金融公庫が行う事業承継マッチング支援に登録して、第三者を通じて事業承継を行うことも可能です。このように事業承継のやり方は多様化しています。
数年後に引退することを想定して準備を重ねていくことで、スムーズな事業承継につながるでしょう。