生産ロスゼロを目指す!製造業におけるロスと対策について解説します
2023/10/262024/06/12
製造業で利益向上を目指す上で悩みのタネとなるのが生産ロスです。限りある資源と時間、マンパワーをいかに有効活用するかで向上の利益率は変わるため、製造業に携わるのであれば生産ロスの知識は必要不可欠です。この記事では生産ロスの種類とロス対策について徹底解説します。
効率を阻害する7大ロス
製造業には16大ロスと呼ばれるロスがあります。それを細分化したときに設備効率に関するものを7大ロスといいます。ここでは製造業の7大ロスについて説明します。
人の効率化を阻害する5大ロス
ここでは16大ロスのうち、人に関するロスについて説明します。5大ロスともいいます。
原単位を阻害する3大ロス
ここでは16大ロスのうちの原単位、すなわち製品を作るのに必要なエネルギーや労力に関するロスについて説明します。3大ロスともいいます。
ロス対策に効果的なTPM
TPMは製造業における代表的なロス対策です。正式にはTotal Productive Maintenanceと表記され、全員参加の生産保全を意味します。ロスをゼロにすることを目標とし、「人」と「設備」に着目した全員参加型の取り組みが特長です。
1.儲ける企業体質づくり | 活動自体を目標とせず、収益の向上を念頭に置いて活動します。 |
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2.予防哲学(未然防止) | ロスが発生してから対応するのではなく、ロスを予防するための活動をします。 |
3.全員参加(参画経営・人間尊重) | 上層部だけが行う活動ではなく、全社員が参加することを重要視します。 |
4.現場現物主義 | 机上の空論ではなく、現場をみて現場の状況に即した議論をすることを重要視します。 |
5.常識の新陳代謝 | 過去や業界の慣習に囚われずに、常識を打ち破っていく姿勢が求められます。 |
1.個別改善 | 生産ラインや設備ごとのロスを調査し定量化して、ロスを減らし「真のもうけ」を得る活動です。個別的にすることで細かなロスも見逃しません。 |
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2.自主保全 | ロスを防ぐと同時に、自ら自部署の設備を守る自主性を築くことを狙いにしています。作業者一人ひとりの行動変容が求められます。 |
3.計画保全 | 今後劣化する部分の補修計画を、系統的かつ長期的視点で立案します。設備の故障低減や寿命延長が目的です。故障時の迅速な復帰や保全費の適正化にもつながります。 |
4.初期管理 | 製品の開発段階で、今後発生し得るロスを予想して開発を行い、ロスの発生を最小限に食い止めます。 |
5.品質保全 | 製造工程の最適化や製造設備の条件を整え、不良品やそれに伴うクレームによるロスを防ぐ活動です。製品の検査強化ではなく、仕組みを整えて不良品を防止するのがポイントです。 |
6.教育訓練 | 作業者に対して最適に教育や訓練を行えるように、仕事に必要な知識や技能を整理します。作業者のスキルアップで不良品やクレームゼロを目指します。 |
7.管理間接部門活動 | 管理部門や間接部門など、製造や生産管理に直接関わらない社員が、生産現場におけるロスの削減や予防について取り組むことです。 |
8.安全・環境管理 | ゴミの排出量削減やCO2削減といった環境に配慮した職場環境づくりに取り組むと同時に、社員が安全・快適に働くことのできる環境づくりを目指す取り組みです。 |
TPM以外の生産ロス対策
TPM以外にも生産ロスを防ぐ方法はあります。ここでは3つの方法を取り上げ、説明します。
生産ロスに関するよくある質問
最後に、生産ロスに関するよくある質問を集めました。業務の参考にしてみてください。
まとめ
生産ロス対策は、作業の細かい見直しや先のことを見据えた改善計画が多く、苦手意識を持つ方もおられるかもしれません。しかし今ある資源を活用して生産性向上を実現するには、生産ロス対策はかかせません。まずは5Sなどの取り組みやすいものから始めてみましょう。可能であれば会社全体でTPN活動に取り組めるとよいですね。
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