QCストーリー「目標設定」とは?数値化できないときの対処法も説明

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QCストーリー「目標設定」とは?数値化できないときの対処法も説明

QCストーリー「目標設定」とは?数値化できないときの対処法も説明

2023/06/202024/03/22

QCストーリーとは、製造業などの品質管理において品質・サービス向上をするための手順です。目標の設定から対策立案、標準化に至るまで、一連の流れをステップに表したもので、その中でも目標の設定は活動の方向性を決める重要なステップです。
この記事ではQCストーリーの「目標設定」について詳しく解説します。

QCストーリーで目標を設定するステップ

なんとなく決めた目標では効果的な改善効果は見込めません。効果的な問題解決を行うには、根拠のある具体的な目標を決める必要があります。ここでは目標設定の手順を紹介します。

現状把握を確実に行う

QCストーリーにおける「目標設定」の前段階が「現状把握」です。いくらよい目標を立てても現状の把握がきちんとできていなければ、方向性のズレた目標となってしまいます。

現状把握の段階では、客観的な状況に基づくデータを収集することが重要です。それから抽出されたものに優先順位をつけます。放置することによる影響が大きいものや早急に対応しないと被害が拡大するものについて、優先順位を高くするとよいでしょう。

5W1Hに当てはめる

目標を具体的に立てるには「5W1H」の考え方がおすすめです。「5W1H」とは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように・どれだけ・いくら)、のそれぞれの頭文字をとったものです。これに沿って考えることで、多角的かつ具体的に目標を設定できます。情報や問題点を過不足なく抽出することができ、考える過程で頭の中も整理されるため、QCストーリー以外でも汎用性の高い考え方です。

数値化する

5W1Hで設定した項目を可能な範囲で数値化します。そもそも目標とは目的を達成するための指標なので、誰もが共通認識できないといけません。明確な指標がないと、人によって評価基準にバラつきが出ます。数値化することで誰もが公平に判断できるようになるため、目標を数値化する必要があるのです。

特に製造業ではWhen(いつ)、How(どのように・どれだけ・いくら)についてはできるだけ数値化しましょう。

数値化の裏付けをとる

数値化ができたらその数値を設定した根拠を明らかにします。根拠が明確でないと、数値そのものの信ぴょう性を担保することができないからです。もし数値と現状がちぐはぐな場合、せっかく目標達成のために活動をしても、改善効果に乏しかったり目標達成が不可能となってしまうリスクがあります。

また根拠を明示することで、メンバー間での認識を一致させることができます。QC7つ道具のパレート図などを用いると視覚的に分かりやすくなります。

QCストーリーで目標を設定するときの注意点

目標を設定するにはいくつかの注意点があります。ここではその注意点について解説します。

具体性があるか

「○○に気を付ける」「○○を改善する」など、具体性のない目標はただの決意です。先述した5W1Hに沿って目標を考えること自体が具体性の強化になりますが、そこから一歩踏み込んで5W1Hの各項目ごとに具体性を持たせると、より具体性が強化されます。具体性のある目標にすることで皆が共通した認識を持てるようになるため、効果的な目標となります。また「目標設定」の次のステップ「要因解析」や「対策立案」がスムーズになるため、目標の具体性はとても重要なポイントです。

達成が可能なものか

達成の可能性があるかも重要なポイントです。あるべき姿と現状がかけ離れている場合、あるべき姿を基準に目標を設定するのは不適切です。高すぎる目標は根性論になってしまうリスクがあり、一緒に働く人達の疲弊を招きかねません。時には根性論も必要かもしれませんが、QCストーリーはロジカルに改善をすすめるための手法なので、実現可能性に乏しい目標は不適切です。客観的なデータをもとに、誰もが実現可能な範囲で目標を設定しましょう。

事業の本質から外れていないか

QCストーリーで目標を設定するとき、根本的な目的を意識しないと「QCストーリーを進めるための目標」となってしまいがちです。根本的な目的は企業の利益であるため、事業の本質から外れた目標はNGです。目標を達成することでどのように会社の利益につながるのかを意識して目標を立てましょう。会社の方針に合っていて、かつ自職場で改善可能なものであり、更に数値化できるものがよい目標といえるでしょう。

手段が目標になっていないか

手段とは目標を達成するための方法のことです。例えば工場において製品のロスを〇%削減することを目標にしたときに、工程のある部分の確認をするというのが手段です。ところが目標を設定する過程で、この手段と目標の逆転現象が発生することがあります。効果が出なくてもやりさえすれば目標達成、となってしまうため、効果的な改善から遠くなってしまいます。先の例でいうと、確認さえすればよくて確認の精度やロスの割合には意識が向かない、という状況です。

目標は目的を達成するための指標、手段はそのための方法、と考えるとよいでしょう。

期限が明確に決まっているか

期限が明確に決まっていることは必要不可欠です。なんとなく〇カ月後、ではなくて日時単位で期限が明確に決まっていると尚よいでしょう。目標達成までのビジョンが明確になるだけでなく、メンバーの動機付けにもなります。

定める期限は適切である必要があります。早すぎると実現不可能、遅すぎると改善効果が乏しくなります。過去の例や自職場の状況、客観的データなどをもとに、適切な期限を設定しましょう。

QCストーリーで目標を数値化できないときの対処法

管理部門や人事部など、成果が数値化しづらい部門でQCストーリーを展開することもあるかと思います。もともと製造業の現場で活用するために開発された手法のため本質にそぐわない部分もあるかもしれませんが、どうしても数値化することが難しい場合の対処法をまとめました。

社内アンケートや調査を行う

例えば、顧客満足度や社員のモチベーションなど、数値で表しにくいものを改善しようとする場合に有用なのがアンケートや調査です。改善したい内容を数値化してアンケートを実施することで、定性的なものでもある程度数値化することができます。

アンケートで数値化することに加えて、自由記載欄を設けるなどして顧客や社員の本音をキャッチすると、数値だけのときよりも実情を適切に把握することができます。

プロセスを数値化したものを目標にする

数値化できない目標だとしても、それを達成する過程で数値化できる指標が発生する場合があります。

例えば社員にコスト意識を持たせることを目標とした場合、物品の使用量を減らす、というプロセスが発生します。そのような場合は物品の使用量に着目した目標を立てるのも一つの方法です。

しかしこの場合、物品の使用量を減らすことを意識するあまり仕事の質が低下するなど、本来のあるべき姿からズレてしまうリスクがあるため、あるべき姿に近づいているかを評価する必要があります。

視点を変えてみる

ある目標に対して、それを達成する前段階で達成すべき目標はないかということに着目します。

例えば「インシデントを減らす」という目標を立てた場合、数値化目標を立てようとして「インシデントを0にする」とするのは現実的ではありません。そこで視点を変えて、ヒヤリハットレポートの提出件数に着目した目標を設定します。そうすることでインシデントに対する意識が高まり、結果的にインシデントの減少につながる、という考え方です。

しかしこの場合も問題解決の本質からズレてしまうリスクがあるため、本来の目標を念頭に置くことを意識しましょう。

QCストーリーの目標を設定する重要性

どうして目標の設定が重要なのでしょうか。成果が上がれば目標は後付けで良いとの考え方もあるかもしれませんが、ここでは目標を設定することの重要性について説明します。

やるべきことが明確になる

しっかりした目標があることで、改善活動をする中でどこを目指していけばよいかが分かります。逆に目標があやふやだと、改善活動の目的を見失ってしまったり方向性がブレてしまったりして、活動そのものの意味が薄くなってしまうリスクがあります。

また具体的な目標を立てることで、後の過程でうまくいかなくなったときに修正すべき点が分かりやすいため、軌道修正が容易になります。

成果を客観的に示すことができる

数値化された目標を挙げることで、誰にでも分かる形で成果を示すことができます。事例を会社全体で共有すれば他の部署にも活かすことができ、職場の財産となります。そうすることで自分たちの自己満足で終わらせることなく、改善活動の結果を会社全体に活かすことができます。

また改善の効果が目に見えて分かることで自己効力感が高まり、モチベーションアップにもつながります。品質向上のみならず働くメンバーにも良い効果が生まれます。

QCストーリーの進め方

QCストーリーには問題解決型、課題達成型、施策実行型、未然防止型の4つの型がありますが、大まかな流れは同じです。ここでは基本の8ステップを紹介します。

問題の明確化

改善対象を明確にするステップです。現場の問題に気付き、あるべき姿と現実の差を捉え、取り組むべき問題を挙げます。問題がうまく見つからないときは、日々の業務に潜んでいる困りごとを意識するとよいでしょう。

現状把握

選定したテーマについて、何が悪いのか事実を把握します。挙げられた問題点について客観的データを収集し、問題に優先順位をつけます。問題の全体像を意識して現状を捉えることが重要です。

目標設定

何をどれだけ改善すればよいか、いつまでに改善すればよいかを数値を用いて設定します。本ページで詳しく解説しています。

要因解析

具体的にどの工程で何が起きているのか、問題の原因を分析します。考えれば原因を見つけ出せるわけではないため、なぜなぜ分析や4M分析、特性要因図などを用いるとスムーズに作業を行えます。要因を洗いだしたら、影響が大きいものについて仮説を立てます。導き出した事実をもとに、根拠のある仮説を立てましょう。

対策立案

原因に対し、目標を達成できるような計画を立案します。現場に無理な負担を増やすような対策案は、メンバーの不満や作業の煩雑化による新たなミスを招きかねないので避けましょう。ECRSの4原則にのっとって、作業がシンプルになるような案を考えるとよいでしょう。

対策実施

対策案を実行します。日々の状況をメンバーと報告し合うことが重要です。メンバー全体で進捗状況を共有でき、トラブルが発生したときにも迅速に対応することができます。また、上司への報告も忘れずに行いましょう。

効果確認

設定した目標を達成できているか評価をします。目標が達成できていなければ、何が原因だったのかを調査し、計画を再立案、もしくは目標の見直しをします。目標未達成は悪いことではありません。PDCAサイクルを回すことが重要です。

標準化と管理の定着

効果の確認ができた取り組みについて標準化(ルール化)し、それを日々の作業として定着化させます。歯止めとも言います。せっかく改善しても現場で定着しなければ意味がありません。作業手順書を活用できるように手直しする、定着するまで教育を続けるなどします。

QCの目標設定に関するよくある質問

最後に、QCの目標設定に関するよくある質問についてまとめました。QCストーリーを進める上でぜひ参考にしてください。

QCサークルってどんなことをするの?

QCサークルとは、職場の問題や課題を解決するために自発的に活動する小集団のことです。だいたい5〜10人のメンバーで結成されることが多いです。職場内に複数のQCサークルがある場合は、活動発表会が行われることが多いです。

製品の品質向上効果はもちろんのこと、個人能力の向上やチームワークの強化など、人材育成にもメリットがあります。

QCサークル活動のことを小集団活動ともいいますが、厳密には品質の問題解決をメインに取り組む小集団活動をQCサークルといいます。

QCストーリーの4つの型って?

QCストーリーには4つの型があります。未然防止型を外して3つの型といわれることもあります。適した型を用いることで効果的にQCストーリーを進めることができます。

● 問題解決型

問題を解決するための型です。QCストーリーの基本となります。マイナスからゼロにすることをイメージするとよいでしょう。

● 課題達成型

問題があまりない状態から、現状をよりよくするための型です。ゼロをプラスにするイメージです。まだ達成したことがないことを目標とするため、要因の解析より方策の制定や成功シナリオの作成に重きをおきます。

● 施策実行型

問題に対する解決法がすでに分かっているときに使う型です。要因解析を省略し、対策案を挙げることに注力するのが特徴です。スピード感重視で改善活動を行うことができます。

● 未然防止型

これまでに現場で発生した事故やミスなどの原因を分析して、今後起こりそうなトラブルを防ぐための型です。

まとめ

QCストーリーにおける「目標設定」について理解が深まったでしょうか?

目標設定は改善活動の方向性を決めるための重要な要素です。根拠を明確にすること、具体的な数値を用いることを念頭に置いて目標の設定をしましょう。特に「なにを(What)」「どのように(How)」「いつまでに(When)」は具体的に設定しましょう。

QCストーリーについて難しく感じるかもしれませんが、上手に使えば効果的に問題や課題を解決するツールになります。日々の業務で発生した問題や課題にQCストーリーを使ってみてください。

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