製造業で品質向上をするには?取り組み方や考え方を解説します

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製造業で品質向上をするには?取り組み方や考え方を解説します

製造業で品質向上をするには?取り組み方や考え方を解説します

2023/07/032024/03/22

製造業で働く上で、品質向上は避けて通れないテーマです。しかし大きなテーマであるため、どのように品質向上へ取り組んだらよいか迷うこともあるでしょう。

そこでこの記事では、製造業における品質向上について、概要や取り組み方、問題点を徹底解説します。品質向上に取り組む際に、参考にしてみてください。

製造業の品質を決定する2つの要素

製造業の品質を決定する要素は、製品そのものの品質だけではありません。ここでは品質の良し悪しを決定する要素について解説します。

製品の品質

製品の品質とは、自社製品が持っている特性のことです。機能や使い勝手、耐久性など顧客にとって価値のある製品かどうかが評価されます。いくら作り手側がよい製品を作ったと思っても、顧客のニーズを満たしていなければ品質が高いとはいえません。顧客にとって魅力的な製品を作ることが品質向上につながります。

また製品そのものの品質だけではなく、供給体制や納期管理、不良品の発生率なども製品の品質を決める要素です。製品の質がよくても供給に問題があったり不良品が多かったりすると顧客の満足度が下がり、製品の品質が低いと判断されます。

作業の品質

作業の品質とは、業務に抜けはないか、仕事の質にバラつきはないか、進行が遅れていないか、など製品を作る作業の質のことを指します。見えない部分の品質のため顧客からは評価されづらいですが、製品の品質を決める重要な要素です。政府が推し進めている働き方改革や、少子化による労働人口の減少を考慮すると、作業の品質向上の重要性はますます高まるでしょう

品質向上に重要な「5つの化」

「5つの化」とは経済産業省と株式会社日本能率協会コンサルティングが、サービス産業の生産性向上手法として提唱したもので、製造業の品質向上にもよく使われる手法です。ここでは「5つの化」の手順を具体的に紹介します。

参考:日本能率協会コンサルティング「『サービス産業の生産性向上手法』ご紹介」

可視化

可視化とは今の状態と問題点を分かる形で示すことを意味します。業務内容の可視化を行うときには、分かっている業務内容のみではなく、暗黙の了解で行っていた「名もなき業務」を挙げることが重要です。現場の観察や作業者からのヒアリングで得た情報を業務フロー表などに落とし込み、製品の状態と合わせてアセスメントすることで、現在の業務に潜んでいる問題点が分かるでしょう。

すでにマニュアルがある場合は、マニュアルの内容と現状が合っているかをアセスメントします。

定量化

定量化とは現在の水準と目指すべき水準を数値で押さえることです。まずは現場の問題点を数値で表現し、併せて作業員の状況や能力についても定量化します。現場と人員の両方を見える化することで、的確に現在の水準を把握することが可能です。

目指すべき水準についても数値化します。現場の目指すべき水準を示すことはもちろんのこと、作業員のスキルアップが必要であれば作業員の目指すべき水準についても数値化しましょう。

課題化

課題化とは現状と目標のギャップをどのように近づけるかを明確にすることです。数値化した問題点に対して、目指すべき水準に近づけるタスクを設定します。問題を「どの程度まで」「どのくらいの時間と人で」解決するのかを数値で決めるのがポイントです。「可視化」と「定量化」がうまくできていれば、明確な課題設定が可能となるでしょう。

実践化

実践化とは課題化で挙げたタスクを実施することです。計画通りに全てが進行することはほとんどなく、どこかでズレが生じることの方が多いでしょう。定期的に目標や計画との差を見直し、必要があれば計画を修正しながら進めていきます。

設定した品質基準まで向上したら、実践化のプロセスは成功です。タスクを実行したにも拘わらず品質改善効果が見られなければ、設定した課題やタスクが適切でない可能性があるため、前のプロセスに戻って再度検証します。

定着化

定着化とは実践したタスクを現場で継続して実行できるようにすることです。せっかく品質が向上しても、維持されなければ意味がありません。タスクをマニュアル化する、現場に合う形に改善するなどして、業務に関わるメンバー全員が一定の質でタスクを実行できるようにします。

品質向上を阻む要素

品質向上を実現するにはさまざまな要素が必要となるため、一筋縄ではいかないこともあります。特に人に関わる問題や職場の体制は大きな壁となる傾向があるでしょう。ここでは品質向上を阻む要素について説明します。

人手不足による業務の質低下や属人化

社会問題となっている人手不足ですが、製造業も人手不足の影響を大きく受けている業種の一つです。人手が足りないと、目の前の作業を終わらせるのに精一杯で品質のことまで対応する余力がない傾向にあります。

現場の人手が不足すると発生しやすいのが属人化です。特定の業務について作業員全体で共有する余裕がないと、ノウハウを一部の人しか知らない状況が発生します。せっかくよい技術を持っていても活用される機会が少ないため、品質向上を阻む要因となるでしょう。

脆弱な管理体制

管理体制が脆弱だと、従業員の適正配置ができない、現場の状況把握ができないなどの問題が発生し、管理サイドの意識が品質向上まで回らないことがあります。品質向上の必要性について現場が声を上げても、管理サイドにそれをキャッチする余裕がないケースもあるでしょう。

システム導入やDX化など、大がかりな設備の導入には経営陣や管理サイドの同意が必要不可欠であるため、管理サイドに品質向上の意識が乏しいと、費用のかかる対策が難しくなる傾向にあります。

改善策に取り組むだけの組織体制

せっかく品質向上の取り組みをしても、現場の作業員の意識が乏しければなかなか定着しません。現場の状況を知らない経営陣や管理サイドが品質向上を叫んでも、現場が「やりさえすればよい」という意識だと改善策の定着は難しいでしょう。

品質向上の取り組みをする前に、なぜ品質向上が必要なのかを全員に伝え、意識の統一と目的の共有をすることが必要不可欠です。

紙媒体やExcel管理による管理工数の増加

在庫管理や売上管理などを紙媒体やExcelで管理している場合、システムと比較して工数やミスが増えてしまいます。

Excelは手軽に利用できる上に、関数や表を簡単に使うことができるため、利用している人も少なくないでしょう。しかし、急な仕様変更などが発生するたびにデータが増えていくため、手間や時間がかかってしまいます。Excelはとてもよいソフトですが、膨大なデータの処理や分析・管理には向きません。そこでITを活用した管理体制にすることで、ミスの低減や業務効率化を図ることができます。

タイトル

「5つの化」以外にも品質向上のための手法はいろいろあります。自分の職場に合った取り組みを採用することで効果的な品質向上が可能です。

ここでは品質向上のための取り組みをいくつか紹介します。

5Sの徹底

5Sとは製造業の品質管理に使われる手法のひとつで、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の頭文字のSをとったものを指します。

整理整頓をすることでいらないモノを処分し、必要なモノをすぐに取れるようにし、清掃のときに併せて点検をすることで機械などの不具合を見つけやすくし、清潔な状態をキープするようしつけで意識の徹底をする、といった流れです。

5Sは単にきれいな環境にするだけではなく、生産性の向上や労災事故防止などにもつながります。

PDCAサイクルの導入

PDCAサイクルとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の頭文字を取ったものです。このサイクルを継続することで、やりっぱなしや行き当たりばったりの状況を回避できるため、効果的に品質向上に取り組むことができます。

重要なのはPDCAサイクルを回し続けることです。最初はうまくいかなくても現状を変える意識づけになるでしょう。

QCストーリーの導入

QCストーリーとは、製造業などで品質向上や業務改善を図るための一連の流れをステップにしたもので、状況に合わせて4つの型がありますが、大まかな流れは同じです。

QCストーリーは8つのプロセスから成り立っており、工程が細かく設定されているため、品質向上までの筋道をメンバー全員で共有することができます。

業務のムダ・ムラ・ムリの見直し

ムダ・ムラ・ムリとは文字通り、業務上の無駄や無理な作業、ムラのある状態のことです。それぞれの後ろの文字3つをとって「ダラリ」と表現されたり、頭文字をとって「3M」「3ム」と表現されたりします。これらを改善することで品質向上につながるでしょう。

ムダ
能力に対して負荷が小さすぎる作業、付加価値を生まない作業
ムラ
材料やマンパワー、忙しさなどにバラつきが大きくムラのある状態
ムリ
能力や状態に対して負荷が大きすぎる無理な作業

業務の標準化

安定した品質で製品を提供するためには、誰もが同じ水準で作業ができることが重要です。いわゆる「職人の技」は貴重ですが、安定した品質の製品を出荷するには作業の質をなるべく一定にする必要があります。

属人化している作業を可視化し、暗黙知を言語や図式に表して作業手順書を作成しましょう。それを周知・徹底することで業務標準化を行います。全ての技術を標準化することは難しいかもしれませんが、標準化に取り組むことは企業にとってメリットが大きいでしょう。

社員の多能工化

多能工化とは作業員が複数の業務スキルを身に付け、さまざまな業務が行えるようになった状態、またはそうなるように教育することを意味します。多能工化を進めることによって人手不足でも柔軟な人員配置ができるようになる、業務の属人化を防ぐことができるなどのメリットがあるでしょう。

デメリットとして、教育コストの増加や作業員の能力が必要になることが挙げられます。多能工化に取り組む際は教育計画を綿密に立てて、計画に沿った教育を行いましょう。

製造業の品質向上に関するよくある質問

最後に、製造業の品質向上に関するよくある質問についてまとめました。品質向上を進める上でぜひ参考にしてください。

最後に、製造業の品質向上に関するよくある質問についてまとめました。品質向上を進める上でぜひ参考にしてください。

4Mとは何ですか?

4Mとは、製造業において重要な4つの要素、「Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)」の頭文字をとった略語です。これらの要素を分析・改善することで、課題や問題の発見と解決につながるでしょう。

最近の製造業のトレンドに合わせて、4Mに要素を足した「5M+1E」や「6M」といったフレームワークも出てきています。

TQMとは何ですか?

TQMとは、Total Quality Managementの頭文字を取った略語で「総合的品質管理」を意味する、古典的な品質管理の考え方です。課題を可視化・定量化した上で改善施策を検討し、組織全体でひとつの目標に向かって施策に取り組みます。QC活動が各現場における品質向上活動であるのに対して、TQMは部門の垣根なく品質向上活動に取り組むことが大きな特徴です。

現在では生産管理のみならず、経営管理や医療管理の分野でも多く使われています。

ねらいの品質とは何ですか?

ねらいの品質とは、製品の目標として設定された品質のことです。設計図や製品仕様書等に定義されている品質のことで、設計品質ともいいます。実際に工場で製造された製品の品質ではなく、あくまでも製品の目指すべき姿です。

それに対して、実際に製品として製造されたときの品質を、できばえの品質といい、ねらいの品質にどれだけ近づけるかが、できばえの品質の良し悪しを左右します。

まとめ

品質向上をするためには的確な計画、実行力、状況に合わせた柔軟性が必要です。そして何より重要なのは、一人一人が当事者意識を持ってメンバー全体で目標や計画を共有することに他なりません。

それぞれの工場で課題と強みがあるため、強みを活かしながら課題を改善できる施策を打ち出すのがベストです。些細なことでも改善すれば品質向上につながります。日々の気付きを活かして品質向上に取り組んでみてください。

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