工場のコスト削減アイデア10選!やってはいけない取り組みも徹底解説
2023/10/122024/09/11
工場の利益を拡大する方法は、大きく分けて売上を増やすか支出を減らすかの2択ですが、売上増加対策と比較するとコスト削減対策に意識が向きにくいのではないでしょうか。ここでは工場でできるコスト削減アイデアや、コスト削減に役立つ知識を解説します。
工場全体で行うコスト削減アイデア10選
効果的にコストを削減するには、工場全体での取り組みが必要不可欠です。ここでは個人単位ではなく、工場全体での取り組みが必要なアイデア10選を紹介します。
LED照明を導入する
LED照明は家庭でも広く普及しており、初期コストがかかるデメリットはありますが、従来の蛍光灯や水銀灯と比較すると長寿命の上、消費電力を8割程度抑えることができます。
参照:大塚商会「工場・倉庫向けLED照明 LED照明でコスト削減」
省エネの観点から政府は「2030年までにLED普及率を100%にする」との目標を掲げていますが、工場では一般家庭と比較して、LED照明の普及が進んでいません。照明をLEDに変更することで長い目で見たときのコスト削減が可能となります。
損害保険料の見直しを行う
製造業は他業種と比較して損害保険加入率が高いというデータがあります。損害保険には相場というものはなく、各保険会社が任意で保険料を定めている状況です。
定期的に保険料の見直しをすることで、同程度の保障を安価な保険料で受けられる可能性も出てきます。ついそのままにしがちですが、定期的な保険料の見直しはコスト削減に有効です。
個人でできるコスト削減アイデア
個人でできるコスト削減は、会社で取り組むものと比べると効果は小さいかもしれません。しかし一人ひとりがコスト意識を持ち、会社の経営について考えることはとても重要です。ここでは個人でできるコスト削減アイデアを紹介します。
工場でコスト削減をするときの注意点
コスト削減に取り組むにあたって、残念ながら効果的ではない対策や、避けた方がよいものもあります。ここでは工場でコスト削減をするときの注意点について解説します。
優先順位は「固定費>変動費」「間接費>直接費」
固定費とは売上高や生産量に影響されずに、一定に発生する費用のことです。光熱費や人件費、借地の場合は賃貸料などが挙げられます。一方、変動費とは売上高や生産量によって変化する費用のことです。原材料費や外注費などがこれに当たります。固定費を削減すると自動的にコスト削減効果が続くため、コスト削減を行う際は固定費から見直すのが成功のカギです。
間接費とは、光熱費や運送費、消耗品代などの製品に直接関わらないものに発生する費用です。対して直接費とは、原材料や現場で働く社員の給与など、製品の生産に直接関わるものに発生する費用です。直接費を削減すると製品の質や作業員のモチベーションが低下してしまうため、間接費から見直すとよいでしょう。
フロー型人材や外注を活用する
人件費はコストの大半を占めるため、削減することによるコストメリットは大きいでしょう。しかし給与や賞与をカットすると社員のモチベーション低下につながるため、簡単に実施することはできません。
そこでフロー型人材の活用が有効となります。フロー型人材とは、アルバイトやパートなどの非正規雇用社員や、期限付きの契約社員、人材派遣会社からの派遣社員などのことをいいます。売上や稼働率に合わせて柔軟に人員を配置することで、人件費を抑えることが可能です。
またあらかじめ分かっている繁忙期の業務を外注先に委託すれば、人件費をフラットに保つことができます。
フロー型人材と外注委託を組み合わせることで、社員の給与をカットせずに人件費削減が可能となるでしょう。
工場のコスト削減に役立つメソッド
コスト削減に取り組むには、自社が抱える課題の発見、課題の設定、そして施策の立案が必要ですが、それと同時に日々の心がけも重要です。ここでは工場のコスト削減に取り組むときに役立つメソッドを解説します。
【7つのムダとその状態】
加工のムダ | 必要のない作業や検査 |
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在庫のムダ | 正当な理由のない在庫 |
造りすぎのムダ | 製品が必要以上に製造されている状態 |
手待ちのムダ | 勤務中に作業がない状態 |
動作のムダ | 製造の進捗に関係ない全ての動作 |
運搬のムダ | 無駄な動線や無駄な製品の流れ |
不良、手直しのムダ | 不良品の廃棄や手直しがある状態 |
外部研修の導入
工場向け研修を導入して社員が参加することで、個人だけでなくチームで対応していく仕組みづくりも学ぶことができます。
外部研修は知識の獲得のみならず、視野を拡げるきっかけにもなるので、業務改善に大変効果的です。ぜひ導入してみましょう。
工場のコスト削減に関するよくある質問
最後に、工場のコスト削減に関するよくある質問を集めました。参考にしてください。
三者満足のコスト削減方法で収益アップ
工場におけるコスト削減のポイントは、品質と社員のモチベーションを落とさないことです。せっかくコストを削減しても、品質や社員の士気が低下すれば、売上低下につながるのは想像に難くありません。会社も顧客も、そして社員も、皆が満足するコスト削減方法を模索することが重要です。
そのため削減項目を決める際は慎重になる必要があります。この記事で紹介したアイデアやメソッドを実践し、それぞれの状況にマッチしたコスト削減対策に取り組みましょう。
株式会社エムアイエスの現場改善コンサルティングサービスは、大企業で現場改善歴30年以上のベテランコンサルタントが企業に出向いてアドバイスを実施します。
中小企業診断士が在籍しており、ただ現場改善をするのではなく、経営目線で役に立つ施策提案が強みです。
補助金獲得サポート経験も豊富にあるため、多くのケースで補助金・助成金を活用して費用を抑えることが可能です。
現場改善を検討しているけれど費用面でお悩みの方はもちろんのこと、機械導入のために補助金の活用を検討している方もお気軽にご相談ください。